「好きだよ」 (ページ43)

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87話　side-mm ページ43

放課後。いつものように一人で帰ろうと教室から出ようとした時、康二に呼び止められた。
kj「あ、めめ」
「？何？」
kj「昼休みに夏休みのこと話してから、こんなこと言うのもあれやけど‥」
ab「期末テストのこと、忘れてない？」
教室のドアから阿部ちゃんがひょっこりと顔を出した。前から気になってたんだけど、阿部ちゃんってあざといよね？
ていうか、期末テスト‥？
ab「その顔はめめ、完全に忘れてたよね‥」
sk「期末で赤点とると、夏休みほとんど補習で消えるよ！」
今度は阿部ちゃんの後ろから佐久間くんが顔を出した。‥佐久間くんもあざといな。
ab「だから一緒に勉強しよ？」
首をこてんってして私に言ってきた阿部ちゃん。やっぱり阿部ちゃんはあざとかった。
今日は予定ないし、特に断る理由はないかな。
「うん、いいよ」
sk「よし！これで全員だね！」
全員？この4人＋ラウールで5人じゃないの？その考えが顔に出ていたのか康二が答えてくれた。
kj「夏休み前の期末はほんまに大事やから、9人全員で集まるんや！場所は翔太くんのお家な」
翔太くんの家か。‥確か、ふっかさんと康二の誕生日会の時にお邪魔したっけ。
ab「ちなみに、佐久間と康二は去年赤点ギリギリだったんだよ」
「そうなの？」
kj「阿部ちゃん！そんなことわざわざ言わなくていいやん！」
康二が阿部ちゃんにそう言った。
‥私も去年赤点ギリギリだったってことは言わないでおこう。
sk「そうだよ阿部ちゃん！あ、もう他の5人は昇降口にいるみたいだから皆早く行こ！！」
佐久間くんがスマホを確認すると、5人の中の誰かから連絡が来ていたらしい。
急いで、昇降口に向かうとするか。

・
電車で7駅乗って、徒歩15分くらいに翔太くんの家はある。
翔太くんが鍵を開けて、私たちを中に入れてくれた。
kj「相変わらず大きいな〜翔太くんの家」
nb「あ〜まあな」
fk「ていうか、いつ見ても生活感ないよな。なべの家」
nb「うるせえ、涼太がいればなんとかなるからいいの！」
おっと、急にゆり組が。斜め前にいた阿部ちゃんを見ると、目がバッキバキだった。流石強火ゆり組担。
nb「もうお前らさっさと上がれよ！汚したりしたらまじで許さないからな！！」
翔太くんの言葉に皆「はーい」と返事をして、上がらせてもらった。