「好きだよ」 (ページ38)

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82話ページ38

8月にはここらで最大規模の花火大会がある。去年は、それにめめを除く8人で行ったのだ。
mm「…いいの？」
sk「もちろん！花火大会が8月の10日なんだけど予定とか入ってたりする？」
佐久間くんがめめにそう聞くと、めめはスマホを操作してスケジュールを確認した。
mm「その日は何も予定ないから大丈夫」
ab「わかった。んで、できれば浴衣着て4人で写真撮りたいなって思ってるんだけど、めめ浴衣持ってる？」
mm「…持ってないかも」
ab「そっか…。あ、確か康二浴衣2着持ってたよね？」
「おん！」
ab「良かったらめめに1着貸してあげてほしいんだけど…」
「ええで！」
mm「…いいの？」
「もちろん！予備の浴衣が黒で、私の浴衣が白やから色ちがいやね！模様はお揃いや！」
mm「お揃い…」
「……嫌？」
もしかしてめめはお揃い、嫌やろか…。
そんな気持ちが顔に出てたのだろう。
めめは慌ててこう言った。
mm「！違う！…お揃い初めてだから嬉しかったの…」
めめのその言葉を聞いて、ぼっと顔が暑くなった。
ああ、めめ…
「めっっちゃかわいいなぁめめ！！」
赤くなった顔を隠すため、嬉しさを表現するためたまらずめめに抱きついた。
めめは驚いて私の腕の中で一瞬暴れたが、抱きしめ返してくれた。
めめ、かわいいなあ。

ab「…えっと、話の続き…いい？」
阿部ちゃんは私たちを見てにこにこしながらそう言った。
ちなみに阿部ちゃんの隣にいる佐久間くんはにやにやしている。
「あ、ええで！」
私はめめを解放すると、阿部ちゃんたちの方へ体を向き直した。
ab「ここが一番の問題なんだけど、着付けはどうしようか…。去年は照のお母さんにやってもらったけど、今年は予定入れちゃったみたいで無理らしいんだよね。さっき照に聞いたんだけど」
mm「あの、阿部ちゃん」
ab「ん？なぁに？」
めめが阿部ちゃんに声をかけると、阿部ちゃんはこてんと首をかしげてそう聞いた。あざとい。
mm「…なんで岩本くんのお母さんなの？」
ab「ああ、言ってなかったっけ？私と照、同じ中学出身で最寄り駅も一緒なんだ。元から母親同士の仲もいいし。だから去年は照のお母さんに着付けをお願いしたんだけど、今年は無理らしいからなぁ。佐久間と康二の家族の中でも着付けできる人はいないし…うーん、どうしよ」
4人でうんうん唸っていると、めめがあっと呟いて何か思い付いたようだ。
「どうしたん？めめ」
mm「…私の叔母さんが着付け、頼めばやってくれるかも…」