電話 ページ19
キヨside
12月半ば。
買ったベッドをAちゃんがバイトに行ってる間に家に入れてもらい、サプライズの準備を整えてウキウキしていた頃。
俺の携帯が音を出して震えた。
見ると"母さん"の表示。
キ「もしもし?」
母「もしもし。あんた元気?」
キ「元気だよ、相変わらず。」
母「そかそか。それでさ、年末帰ってくるんしょ?」
キ「帰るよ。それでさ…会わせたい子いるんだよね。」
母「へぇ!?ええ!?嘘〜!家綺麗にしないと!!あんたの部屋で寝てもらうとして、物置にしてるからのかさないとねぇ、それから…」
キ「母さん落ち着いて笑」
俺が今まで『会わせたい子いる』なんて言ったことがなかったから、初めての出来事に慌てる母さん。
めちゃくちゃ面白い。
母「…どんな子なのさ、連れてくる子。」
キ「んとね、小柄で可愛くてすっげーいい子だよ。」
母「あんたそんないい子、どこで手に入れたのよ笑」
母さんに言うか迷った。
俺たちの出会いは特殊だったし、そこからずっと一緒に住んでるわけだし。
キ「帰った時に話すわ。電話で話すと長くなるし。あ、お土産何がいい?」
こういうことは、ちゃんと向かい合って話した方がいい。
俺がどれだけ真剣か分かってもらうためにも。
A「ただいま〜!」
キ「おかえり。」
A「ご飯すぐ作る!」
キ「あ、手洗ったらこっち来て。」
A「了解〜。」
手を洗ったAちゃんがこちらに来る。
すると一瞬立ち止まり、目を輝かせた。
A「これって…この前言ってたベッド!?すごい!おっきい!ふかふか!」
キ「ちょっとはえーけど、クリスマスプレゼント。」
A「キヨくん…ありがとう。今日から一緒に寝れるね!」
キ「だな。」
嬉しそうにベッドの感触を確かめている。
その表情が見たかったんだよな。
キ「今日さ、母さんから電話掛かってきてさ。」
A「お母さんから?どんな電話だったの?」
キ「年末帰ってくるしょー?って。んで、会わせたい子いるって言ったの。じゃあ、喜んでた。」
A「そっか。私も楽しみ。」
キ「その時にさ、Aちゃんとどうやって出会ったか話したいんだけど…いい?」
A「うん。話しておかないとね。私を信用してもらうためにも。」
キ「良かった。ありがとう。」
きっと俺の両親は分かってくれると思ってる。
Aちゃんのこと。俺たちのこと。
まだ先なのに、もう緊張している俺がいた。
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ゑぬ(プロフ) - り なさん» コメントありがとうございます😭 1から読んでくださって感謝でしかないです🙇♀️ 読者の方のおかげで完走出来ました! ありがとうございました🙇♀️ (10月31日 15時) (レス) id: 467f387b94 (このIDを非表示/違反報告)
り な(プロフ) - シリーズ1から読んでいて二人が幸せになって良かったです。完走おめでとうございます!! (10月31日 13時) (レス) @page50 id: 916a2c7fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゑぬ | 作成日時:2022年7月23日 21時