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呪霊の兄など御免だ。 ページ3

―――
――――――


五条先生と別れて数分。



どこだ、どこだ。



俺は部屋探しに追われていた。



「はっ…はッ…」



カツンカツンカツンッという足音と、自分の息が漏れる音だけが聴こえる。


バタンッ!


「…ここにも、いない」


どこの部屋を探しても、なにもいない。


バタッ バタンッ



自分の部屋を開け締めする音が響き渡る。


部屋の数が多すぎる…これもあと何階かある…


(果てしないな…片っ端から開けてたんじゃいつかバテるし時間もねえ。…怪しいところだけ調べるか)


と、すると…


「…あの扉だな」



俺の前に重々しくあるこの扉。
取手がついていて、ミュージカルとかに出てくるような、バーンッと開けるタイプの。


…最初から調べておけば良かったが、一応他の部屋をやっとこうと思っていて見ていなかった。


カチャ…


取手を握れば、錆びた鉄の臭いが鼻をつく。


「…フゥー」


思い切り息を吐く。


思い切り力を込めて、


(――せー……のッ!!)



扉を手前に引いた。


キイィィイッ


扉が軋む嫌な音が、耳の奥でまた嫌に響く。
若干顔を歪めながら中に入る。



「…やっぱり、ここだったな。」




少し開けた場所。


天井がぶち抜かれ、帳の暗さと相まって不気味さが増す。


そこには、小さい女の子の姿に成り損なった、不気味な呪霊が。


「オニイチャァァン…」



「…俺はオマエのお兄ちゃんじゃねえよ」


どこのどいつと間違ってんだ。俺は呪霊の兄など、真っ平御免だ。
…まぁ、呪霊になる前の記憶なんだろうが。


“渾”



影から渾が現れ、「グルルゥ…」と静かに唸り声をあげる渾。
いつもより警戒している。やはりこの呪霊は他より手強いな。

そしてふと、端っこに目をやると、うずくまる子供の姿が。


…あの子か。



ケタケタとその呪霊は嗤う。



「オォォニィチャァァンアァソボォォオ!!」



「断る。」





静かに戦いの火蓋が斬って落とされた。

第二ラウンドは望んでねえ→←守りたいものがある時、人は強くなる。



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みかん狐。(プロフ) - ルルさん» えっ…ハマってもらえたことに嬉しいという感情しか生まれませんどうしましょう()続きが気になるほど…私も嬉しすぎて今日は夜しか寝れなそうですよ(?)コメント、閲覧有難う御座います!! (2022年2月26日 16時) (レス) id: af05efaa9e (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ハマっちゃったんですけど!どうしたらいいんですか!?ハマっちゃったせいで続きが気になり、夜しか眠れないんですけど!??(??)      すみません!更新待ってますね。 (2022年2月26日 15時) (レス) @page3 id: 0fb48e7dd1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん狐。(プロフ) - RIOさん» えっ“好き”…!?いや、もう感極まってます今…()あと分かります…推しからの愛ほど尊いものはないっすよね…それがどんな愛だとしても()更新頑張らせていただきます!初コメ有難う御座います〜!! (2022年2月26日 8時) (レス) id: af05efaa9e (このIDを非表示/違反報告)
RIO - うっわ、めっちゃ好きなんですけど、、推しからの愛ってめっちゃ良いですね……あ、親愛とかも込で。更新頑張ってください! (2022年2月26日 8時) (レス) @page3 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかん狐。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/  
作成日時:2022年2月25日 6時

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