《続》告る前に振られた。【伏黒恵】

穴があったら入りたい。 ページ11

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『…あ゛ぁぁああ゛ぁぁあ゛あ゛ぁあ゛…』


「なにやってんのよ、アンタ」



そう言って顔を覗き込んできた野薔薇。

今私は人生で一番顔が赤い可能性がある。



『…恵に抱きついちゃった…ッ！！』



きゃーっとまた顔を隠す。

恥ずかしすぎる。


いや、それ以前も最悪すぎる。


意識が消えて、起きたら皆が泣きついてくるわ、式神達がボロッボロだわ。

聞けば記憶を失って迷惑かけたわ。


そんでその記憶取り戻すために恵が特級と殺りあったわ。

不甲斐なさ過ぎて、悲しすぎて、恥ずかしすぎて。


なにより好きな人に迷惑かけたという自分の馬鹿さ。


泣けてきて帰ってきた恵に抱きつくという奇行。



…穴があったら入りたい。



『…でも恵抱きしめてくれた…！！』

「…ノロケはいらないわよ」

『やだ野薔薇、私振られてる身だから悲しいっちゃ悲しいよ？』



期待させるような真似マジで控えてくれよ恵。

こっちはやっとアタックする体制に変わったけど落ち込んでるわ落ち込んでるんだかんな。



「…頼むからさっさとくっついてくんないと私の身が保たないわ…」

『え、なにどういうこと』


なにがなにとくっつくの？

頭を抱える野薔薇は、少し経ってからどこかに走っていった。



…なんだったんだ一体。

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