*139 ページ42
.
入賞者の演奏会では、昨日の緊張感から解き放たれて、楽しく自由に弾くことが出来た。
他の人の演奏もしっかり聞けたし。
どの曲も素晴らしくて、改めてそんな中で自分が頂点に立てたことがまだ信じられなかった。
演奏会を無事に終えて………帰りの時間があるから祝賀パーティーには出席せず帰郷する父と弟を、木崎さんと一緒に見送った。
それから、
「あの、、、木崎さん。昨日はその……いろいろありがとうございました。」
コンクールの後はバタバタしてたから、高嗣の席を用意してくれたお礼…言ってなかった。
「ん………?ああ!うん、全然。」
はじめはキョトンとしてたけど、すぐに察してくれた。
「うまくいってるみたいだね。」
「……はい///。」
「Aちゃんさ、、、彼と出会ってからピアノの音色に艶があるし、何よりも演奏に迷いがなくなったよね。」
「え……?」
「音楽的なセンスもテクニックも、もともと問題なかったけど、、、、ずっとどこかAちゃんの演奏は自分への自信が欠けてたと思うんだ。その不安定さが独特の魅力でもあったけど、こういうコンクールでは評価されにくいからね。
今は、そういう憂いの部分も華やかな部分も緻密にコントロール出来て個性として表現できてるし、すごく成長を感じてるよ。」
レッスンの時は、圧倒的に叱られてばかりいたのに…。
思いがけない木崎さんの言葉に、胸がいっぱいになった。
大切な人に聞いて欲しくて、、、
大切な人に聞いてもらえる幸せを感じて、、、
迷いの中、私はピアノが好きなんだ…っていうシンプルな答えに辿り着けたのは高嗣のおかげだから。
.
「目線をこちらに。」
「トロフィーをもう少しだけ下げて。」
「もっと笑顔でお願いします。」
まぶしいフラッシュ。
「今日のインタビュー記事は、来月号に掲載の予定ですので。では、よろしくお願いします。」
「ハイ。ありがとうございました。」
想像よりもずっと、華やかなレセプションパーティー。
表彰式が終わって……私は今、会場内でコンクールの優勝者として、クラシック専門誌のインタビューを受けたところ。
音大中退って経歴がおもしろい?みたいで、これまでの私の生い立ちやピアノ生活のことを長々と聞かれた。
こんなこと慣れないし、笑顔が引きつっているのが自分でわかった。
.
509人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろん(プロフ) - ソフィアさん» ホントにホントに!とにかくいろいろが楽しみでドキドキわくわくです!!この所のニカソロの歌割り、私も嬉しく思ってました。素敵な歌声も魅力的なダンスも、もっと認められて欲しいですよね☆ (2019年3月2日 23時) (レス) id: e52504ed60 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - ふふふ、ほんと楽しみですよね!それに、最近の曲の中でのにかちゃんの歌割りが、よくて、あのハスキーな声が生きてるなーと感心してます。ツアーの発表も待ち遠しいですよね。 (2019年3月2日 7時) (レス) id: a0e87032e5 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - え?同じ町内の子が映画にご出演とは!しかもみっくんの(^^♪そろそろDIVERのお仕事来ないかな?(実は待ってる笑) (2019年2月21日 10時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ソフィアさん» コメントありがとうございます!私はホント、めったに泣かないタイプなので、ボロボロ泣いてしまった自分にびっくりしましたよ(笑)その位、心が温まる素敵な作品でしたね♪ (2019年2月21日 10時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - ニカちゃんの短髪、爽やかでかっこいい。ダイバーの北ニカも良かったねぇ。トラさん泣けました。明日又見に行く予定。ちなみに野良のボス猫の子は、同じ町内の子だよ。 (2019年2月20日 22時) (レス) id: 3a1ba1b625 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろん | 作成日時:2018年12月12日 12時