INNOCENT DAYS ３

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化粧室に行った時にスマホを確認すると、私からのメッセージはすでに既読になっていて、その後に高嗣からは“おめでとう”の派手なスタンプが届いてた。



それだけだけど、忙しい中気に掛けていてくれたのかなって思うと胸の中があったかい気持ちで包まれる。




“ありがとう”
“今はみんなで食事中だよ”


それから少しだけ考えて、


“今日は来てくれたんだね”
“びっくりしたけどすごく嬉しかった”
“高嗣のおかげで頑張れたよ”


そう返信してスマホをバックに戻した。








祝賀会は、明日の入賞者演奏会もあるからってみんな気を遣ってくれて、遅くならない時間にお開きになった。



父と弟と一緒にタクシーに乗って、2人をホテルの前まで送る。



「今日はありがとう。」


「うん、じゃあ明日な。」



ドアが閉まって「次は…」って、私の住所をドライバーさんに伝える。



タクシーが再び走り出して、シートに深く沈む。



………長い一日だった。



すごく疲れてるはずなのに、高揚感からかあまり感じない。



何だかライブの後みたいだなぁ…なんて、高嗣の顔を思い浮かべる。



そうだ、って思ってスマホをカバンから出した。



メッセージが入っていることを知らせる小さな点滅。



急いで開くと、何件か今日のお祝いを告げる未読のメッセージの中に………高嗣からの名前。



すぐにそのアイコンをタップする。




“！！！！！！！”


何かにびっくりしたような高嗣の返信に思わず笑いそうになる。


そして、その後に長めのメッセージが入ってる。



“俺は今仕事終わったとこ”
“てか………”


“俺が行ってたこと気付いてたの？笑”

そっか、
それに驚いてたんだ(笑)



“Aちゃんのピアノ、スゲーって”
“なんかゾクゾクしたわ”
“ビックリした”



そして、




“なんかね………Aちゃんがスゴすぎて知らない人みたいだった”



・・・・・・・。



“俺らのライブの後に、Aちゃんが俺のこと「遠い人みたい」って言ってた気持ちがちょっとだけわかった”



“なーんてね”





………………胸が締め付けられたみたいに、キューって苦しくなる。





高嗣の照れ隠しなのか、その後に送られてる変なキャラクターのスタンプをじっと見つめたまま、思わず


「運転手さん、、、すみません。行き先変更してください。」


そう告げてた。





そして、高嗣に




“これから行く”




ってメッセージを入れた




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