INNOCENT DAYS ３

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テレビから賑やかに告げられる新しい年の幕開けと同時に、外では花火が何発か上がる音が聞こえた。


「たっくん、明けましておめでとう。」


「おう、おめでとう！」


弟と交わす新年のあいさつは何となく照れ臭い。



その横で、テレビの中に一瞬映る高嗣にまたドキドキする。



私の気持ちなんて知るはずもない弟は……ちょうど電話がかかってきて、慌てて自分の部屋に戻っていって、なぜかホッとした(笑)

フフ………彼女かな？







いろんな気持ちの入り混じった年明け。



「終わって欲しくない」年が明けた瞬間、高嗣は何を想ったのかな？



大みそかから元旦にかけては忙しいってわかってたから、メッセージを入れるのもためらってたけど……おめでとうのあいさつ位はいいかな？って思ってスマホを手に取る。



“HAPPY NEW YEAR”のスタンプ。


そして、


“テレビ、見てたよ。”


“この後の生放送も頑張ってね♪”って打った。




それから、、、、




“去年は、高嗣に再会できて嬉しかったよ。”


“今年もよろしくお願いします。”



重くなり過ぎないように、、、でも新しい年の初めに、精一杯の気持ちを伝えたかった。


送信するのに、なぜかちょっと緊張した。





何だか全然眠くならなくて、冷蔵庫から缶ビールを1本出してプルタブを開ける。


1口飲むと、冷たさとほろ苦さが心地いい。


リビングのコタツの温もりに腰を落ち着けて、この後高嗣たちが出る歌番組を見続ける。






ふとスマホを見ると、メッセージを知らせる点滅。



高嗣からの返信。




“あけおめ、ことよろ”のちょっとコミカルなスタンプ。


そして、短いメッセージ。



そこには……






“おれも！”って、たった3文字。



その短さに、思わず笑いたくなるけど、、、きっと忙しい移動の隙間にわざわざ返信してくれたのかなって思うと、やっぱり嬉しくなっちゃう私は単純だ。




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今日はこれから、高嗣たちのユニットの新曲が初披露される。



自分たちで作詞作曲した曲。



MCの時は、あんなにはしゃいで楽しそうだったのに……歌声がちょっと震えてるように感じるのは気のせいなんかじゃないよね？




“大好きな人が決めたことを受け入れて
笑顔を届けるよ。
泣いたって仕方ない”


そんな意味の歌詞。




“泣いたって仕方ない”…けど、

やっぱり泣けた。





たくさんの人に


そして……大事な人に




その想いが届きますように…って思った。



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