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Side Miyata





「そしたら、もう二度と会わないで欲しい」






はっと変な音が自分の喉から聞こえた。






玉からそんなことを言われるとは想定してなかったはずなのに、


俺にとってはあまりにも辛い言葉なはずなのに、


でもなぜか同時に、俺を想う玉の本当の気持ちが、あつい熱を持って伝わってくる気がした。






「...なんで?」


「......なんででも」






なぜ玉は嘘をつくんだろう。

なぜ望んでもいないことを口にしているんだろう。






その言葉のトゲは、俺ではなく玉を刺しているというのに。






いつもに増して青白い顔が苦悶に満ちていて、

玉の空気感全てが今にも崩れそうだ。






「......たま」


「............」


「............ゆう、くん」






玉には二つの顔があって、


そのどちらも玉は玉だけど、お酒に酔っている玉しか素の玉じゃない。





「みや......キスして...っ」


「もっとして......もっと...」


「ぎゅってして......」


「たまじゃない......ゆうた......」





お酒に酔った玉は、いつも寂しがって愛を求めていた。


キスやハグで何かを埋めようとしていた。





でも他の同期と一緒に飲みに行っても他の人にはそんなことしなくて、


あの泣きそうな瞳で見つめられるのは、いつも部屋に帰ってからの俺だった。





.....なのに。







キスした記憶のあるどの玉より辛そうな玉が目の前にいる。







「あのね、」


「..........」






離れていた四ヶ月の間、


玉は俺の他にああやって甘える相手がいたんだろうか。






「俺ね、酔っても記憶飛ばないの」


「........」


「玉はね、本当はゆうたって呼ばれたいの。いっぱいキスがしたくて、撫でられるのが好きで。」


「......なに、ゆってんの」


「でも一番はね、ハグが好きなの。それが一番あったかくて安心するから」


「......なん、で...」






酔った次の朝、玉が俺との触れ合いを覚えていたことは一度もなかった。


それでも、玉の辛い思いが軽くなってるみたいだったから、俺はそれで良かった。





だけど今、玉は誰もいないんじゃないの?


北山さんと何があったのかは知らない。


なぜこんな状態になってるのかは分からない。





でも。





「他の人はこんなこと知らないと思う」


「だから俺は、なんて言われても絶対に離れない」





離れるべきじゃないってことはわかるんだ。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 宮玉 , ノンリアル   
作品ジャンル:タレント
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ほか - 最新話まで一気に読ませていただきました(^^)りんごさんのペースでよいので是非この先を更新してほしいです!楽しみにしております! (2021年9月4日 21時) (レス) id: d8f5e0d33c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» まだ読んでいただけたなんて!嬉しいです…本当にありがとうございます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: b136585c56 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさん、更新ありがとうございます!ここは更新されるたびに楽しみに読ませて頂いています!この先…ミヤは裕太を守って欲しいですね。更新のんびりゆっくりお待ちしていますね。 (2020年9月11日 4時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» 返信してなくてごめんなさい、ありがとうございます! (2019年7月26日 18時) (レス) id: f95f9b47d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさんこんばんは。ちゃんと読んでいますよ!お待ちしてましたから。大丈夫です、私ものんびりしてますから〜。やっとみっくんから解放された玉ちゃん…みやっちとうまくいくといいんですが…。まったりとお待ちしてます。 (2019年1月17日 21時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2017年4月22日 18時

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