Phantom of the Office

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Side Miyata





就任スピーチが終わり、各自の職場に戻ることになった。





「おい宮田、ネームプレートはどうした」






それぞれのオフィスに入るときに使う電子ネームプレート。


いつも首から下げてる俺のプレートが見当たらなかった。






「え、あれ？？おかしいな」


「ったくもう、探してこい」


「う、すいません…」







……そういえばトイレかも。


さっき入って顔洗ったときに置きっぱかも。



そう思い出してトイレに向かった。






「お、ありましたぞ」





やっぱり洗面台にあった、よかった…



と思っていたら。





ドサッという大きな音が個室から聞こえた。






「え？…ちょ」






個室は一個しか閉まってなくて、


ノックしても反応がない。






「大丈夫ですか？」






そう思って覗き込んだドアの下に見えたのは誰かの靴。



……玉の靴？







「え、玉？玉！」






やむなしと思って、隣の個室に入って壁に登って玉の個室に入ったら、


どうやら大量に吐いたらしい真っ白な顔の玉が倒れていた。






「玉！大丈夫？起きて玉、」


「……う、………」


「すぐ出るからね、病院行こう」







うっすらと目を開けた玉が、俺の目を捉えた。






「み……」





みやたって、声が出ないまま俺の方を見て、


玉はそのまま意識を失った。

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