Phantom of the Office

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Side Tamamori






毎日毎日みじめだった。






心は宮田が好きでたまらないのに、


宮田を知らない俺の身体は北山を受け入れ始めている。






……これも全て宮田のためだ、


俺がいつか宮田に見合うような人間になって、


北山の目的がなんだか知らないけどそれも達成して、


そしたら。








そしたらきっと。


その時は宮田にあの続きを聞かせてって言ってみようかな。








……そんな風に思わないとやりきれない。


実質上北山が舵をとってるP業務はどんどん悪徳になっていって、


最近じゃ上から指示されてないことまでやらされてる。






色んな人が俺のせいで壊れていってる。


何人も何十人も会社を去ってる。


その家族の何人が一体悲しんだことだろう。





それがあるから、最近じゃブラック企業だなんて噂もたってるらしい。






……なんてこった。


俺は父さんの仇を取るばかりか、


父さんと同じように死んでいくしかないのかもしれない。






それ全部俺が、


大事なものなんか作ったせいだ。


俺みたいな奴が、宮田を好きになったせいだ。


俺にはそんな権利なかったのに、


好きになるのは止められなかった…っ






……でも同時に俺がどうにか持ちこたえているのは、




宮田がいるから。


北山には負けたくないから。


あの言葉の続きが聞きたいから。







……っでもどうだろうなぁ。


俺の身体、汚れちゃったしな……







北山に開発された身体は、


最近はもう自分の意思とは関係なく北山の身体を求めるようになった。







宮田のことは毎日見かけるけど、


前みたいに話せなくなった。


でも好きで、好きで好きでたまらない。









でも俺の身体は宮田の身体を知らないから。


北山の身体しか知らないから。









ああ、


頭と身体が分裂して死んじゃいそうだ……

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