Phantom of the Office

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Side Miyata




今日も玉と一緒に朝を迎えた。




あ、なんか今語弊ある言い方したけど違うよ？


なんにもしてないよ？


いや、キスだけよ？




キスまでしといてだけとかおかしいけど(笑)






「ねぇなんで俺こんなに毎日宮田といるの」




起きてすぐのボサボサの頭を、自分でさらにぐしゃぐしゃにしながら玉が俺の方を向く。





「知らないよ」





それを見て、俺は自分の髪を整えながら返事をする。






「俺達さぁ、週5くらいで飲みに行ってるけどお給料だいじょーぶ？」



「さぁ」






今の言葉通り、俺達は相当な頻度で飲みに行って毎回俺の部屋か玉の部屋に泊まる。



今日は玉の部屋。




…まぁこの人は俺のアニヲタガチ勢部屋きたがらないからね。(笑)






「俺ここの家賃ヤバいわ普通に」



「いくらなの？」





玉がいつの間にか自分の通帳を出してきてそれを小さく開いて呟いた。



玉はいつの間にか着替えてて、


それで気がついた。




……今日、土曜日なんだ。






「８万」


「うっわ微妙〜」


「だろ？でももう今月家賃払ったら俺何も残らない」


「スーツ買っちゃったしねぇ」






休日の朝一緒にいるのは初めてだ。




酔いつぶれなかった時の次の日も、いつも起きたらどっちかの部屋にいて、


いつも前の日着たスーツで出勤してた。





そのうち新しいスーツを買う余裕も出てきて、


2着ずつ買って、お互いの部屋に置いとくことにしたんだ。





……そのうちどんどんパジャマやら歯ブラシやらも置いて、この前ついに私服もそれぞれの家に置くようになった。






「ね、今日土曜なの知ってる？宮田」



「う、うん」



「どっか行こーぜ」






……ちょっとドキッとしちゃう。


玉のことは大好きだけど、それは同僚としてとかを超えてる部分もあるけど。




土日に遊んだりしたら友達になる。


同僚を超えて、他の関係を作ることになる。






「え、いいの？」



「いいから言ってんだけど。ヤなの？」






……本当は、俺が欲しい関係は、


友達じゃないし同僚でもないけど。






でもなんか、まだ寝癖がピンピンしてる玉の照れてる顔を見てたらそんなのどーでもいい。


ホントは俺今日見たいアニメあったけどそんなのいーや。







「そんなことない、行く。どこにする？」



「んーじゃあ海行こうぜ！湘南！」






人を好きになるって、幸せなんだなあ。


玉が嬉しそうなだけで、俺も嬉しいんだ。

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