声優オタクの声優さん ぱーと7

なんだかんだ言いつつ ページ35

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早めに終わったせいで次の現場までかなり時間がある。



………そういえば次Aちゃんと一緒だ。

過保護な同期も一緒だし、先に行って隣陣取っちゃお！




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「おはよーございます！」


「あれ？マモ早くない？」


「前の現場早く終わった！Aちゃんいるかなーって思って早めに来ちゃった」


「何それ 笑 ほーんと私の事好きだねぇ〜」




そう言ってケタケタと笑うAちゃんの表情はどこか嬉しそうで俺まで嬉しい。

いつもハイハイって適当に流してるけど本当はそうやって甘えられたり頼られたりするの大好きだもんね。



そういうところ紀章さんとそっくりだよなぁぁ……。


そういえばその紀章さんはどうしたんだろうか。
一緒なはずなのに。




「そういえば紀章さんは？」


「ん？あぁ。今日はGRANRODEOの方行ってるから別撮りなんだって」


「ほへぇ〜………、めっずらし」


「そうなんだよね。それと私久々に一緒じゃないからちょっと新鮮かも……」


「ずーっと一緒にいるもんね 笑 お腹は大丈夫？
具合も悪くない？」


「大丈夫大丈夫！最近ちょっと落ち着いてきたの。
おっきくなってんだろうなぁって思うと嬉しいよね」




優しい表情をしてまだあまり目立たない下腹部を撫でる。
その仕草から母親の姿を感じてなんだか感慨深い。
紀章さんも「最近子育てについて調べてんだよ〜」って言っていたし、子どもが出来るってこんなにも人を変えるんだね。もちろん良い意味で。

まあ俺が言うのもなんだけど。




そうやって他愛もない話をしていたけどAちゃんはスマホをポチポチとタップしていた。
横持ちだしゲームしてんだろうなぁ 笑




「それなんのゲームしてんの？」


「え、刀剣乱舞」


「えぇ！俺でてない！」


「知ってる〜」


「ちょっと見せて見せて」




画面を見せてもらうとちょうど戦闘が終わって結果発表(？)の画面。

縦に6人(人じゃないけど)並んでいて中には知ってる人の声がするキャラも。




「Aちゃんの推しはどの子なの」


「この布被ってるのと緑の」


「どんなキャラ？」


「布被ってるのは卑屈だけどやる時はやる子で、緑のは多らかで適当ゆるゆるだけどちゃんとかっこいい子」


「…………ぁ。なるほどそういう……、あはは！」




Aちゃんの推しキャラ。中の人が同期2人だ。
なんだかんだ言いつつ大好きだよね！

ほーんともっと素直になればいいのにね！




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