生活費をもらいます。 ページ32
にぃにがなぜこのタイミングできたかはもう無視しよう。
A「で、探し物は見つかった？」
兄「ああ。でもお前が見えないから来てみたらこれだ。何をしている」
なにって
A「北山さんを起こしてるの」
北「えっ！？あ、その〜どうも、北山宏光です！」
…引け腰。
玉「Aちゃんのお兄さん？」
A「はい」
兄「妹と住むという人間か。Aの兄、九条 夏唯だ」
すごい上からだけど、北山さんってにぃにの一個上だよ。
北「あ、よこーさんのお友達の！」
兄「渉のことか。北山宏光といったな？」
北「はい！」
兄「妹をよろしく頼む」
北「もっちろん！！」
兄「と、渉に伝えろ」
ズコッと北山さんがずっこける。
伝えろって、ずいぶん上からなのに北山さん怒らないな…
A「にぃに、北山さんって年上だよ」
玉「にぃに！？」
兄「なんだ」
いや、別に裕太さんはにぃにのこと呼んだわけじゃないよ。
玉「にぃにって、呼んでるの…？」
A「はい…」
兄「なんだ、羨ましいのか」
何寝ぼけたこと言ってんだ。
玉「はい、羨ましいっす！！」
え？
兄「ふん、悪くないな。名はなんという」
玉「玉森裕太です！！」
兄「玉森か。妹を頼んだぞ」
玉「任せてくださいっ！！」
…なんだこれ。
北「お兄さん、俺は…？」
兄「は？」
北「すみませんすみません！よこーさんに伝えますぅ！！」
ちょっと…
私の兄は手に負えない…
玉「いいお兄さんだねっ！」
北「はああ…」
…うん。
A「にぃに、帰る？」
兄「お前は俺を追い出したいのか」
A「別にそうじゃないけど」
兄「ふん、ここにいるのも嫌だしな。帰る」
帰ると言った途端、すごいスピードで出て行くにぃに。
玉「え、帰っちゃうんすか！？」
そんな裕太さんの声、惜しくも届かず。
兄は嵐のように来て嵐のように去っていった。
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作者名：苺パンダ | 作成日時：2020年3月12日 20時
