【悪ノ大罪×ジョジョ】ツェペリ公の狂気<シーザー> (ページ4)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,326 hit

色欲の公爵2 ページ4

女性が何か言いかけた時、怒鳴り声が男に向かって投げかけられた。驚いた男が振り向くと、195cmはあろう大男がこちらを睨みつけていた。

「ジョセフ！」

「こんのスケコマシ…うちのスージーQになーに馴れ馴れしくしてんだッ！！」

女性…スージーQからジョセフと呼ばれたその大男は、びしぃっ、と男を指さす。男はスージーQの手を離せば、ゆっくりとジョセフの方に向き直った。

「これはこれは申し訳ない。君はこちらのお嬢さんの連れだったか…」

「そのナリ…おめぇ貴族だな？他人の女に声掛けるたァ、貴族っつうのは暇人なのか？あぁん！？てめぇどこの家のもんだ！」

「ちょ、ちょっとジョセフ！私は大丈夫だから！」

自身を宥めるスージーQの声も構わずに責め立てるジョセフに対して、男は相変わらず穏やかな表情を浮かべている。そして、はぁ、とため息をついて口を開いた。

「…いけないなぁ、この町の人達は穏やかだと思っていたが、こんな乱暴な男もいたのか…。とはいえ、自己紹介もなしに突然の失礼をしたことは謝らなければな…」

そう言って男は、胸に手を当ててジョセフとスージーQに向かって頭を下げた。

「…はじめまして。俺の名はシーザー・ツェペリ。公爵の地位に着くものです。隣の男はカーズ。俺の従者だ。どうぞお見知り置きを、おふたりさん？」

名を名乗った後に顔を上げてニコリと微笑みを浮かべる貴族の男、シーザー・ツェペリ。先程から一言も発さない従者の男、カーズはシーザーに続いて2人に向かってぺこりと会釈をする。
“ツェペリ”という姓を聞いたスージーQは目を丸くさせた。

「…ツェペリ？ツェペリってもしかして…あのツェペリ公爵家襲撃事件の！？」

「あん？なんだそれ？」

「ジョセフったら知らないの！？ツェペリ公爵家襲撃事件といえば有名よ！」

キョトンとするジョセフに、スージーQは慌てて“ツェペリ家襲撃事件”について話す。

＿＿今から3ヶ月前、真夜中にツェペリ公爵家のお屋敷に住む人達がみんな殺されちゃったの。
病弱だった為にずっと自室に篭っていた公爵様と、その公爵様のお世話をしてたお付の人は見つからなかったから無事だったらしいんだけど…。それはそれは酷い有様だったそうよ。
犯人の正体も目的もわかっていないの。でも、殺害された人たちの体にはまるで巨大な獣の爪痕のようなものがあったらしいわ。だから、犯人は人間じゃない…魔物かなにかじゃないかって噂なの。