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その日の夜、騒動のお詫びに、と職長に無理やり連れて行かれた居酒屋。
目の前にはなぜか、酔っぱらって飲みすぎて潰れてしまった職長と、ニコニコ笑っているご機嫌の社長代理。
私もすすめられてまあまあ飲んでしまって頭がフワフワしていたのだけれど、彼も酔っているのか、トロンとした目で私を見る。
丸「もっかいほめて」
「えらいえらい」
「本当に、もっと偉そうにしてもいいと思いますよ」
代理とはいえ、立場は社長なんだし。
丸「何もしてへんのに偉そうにはできんし」
丸「でも一個でも役に立てたら、そん時は言おうと思ってて」
そう言って彼はちょっと居住まいを正した。
なにを?
丸「Aさんが、好きです」
頭が真っ白になった。
好きな顔のイケメンに告白されている自分。
でも私は、年上で、
立場上なれ合いになったらまずいのでそんな空気は絶対に出していないのに。
何より、居酒屋で、横に酔いつぶれた職長が転がっている
「―――このタイミングで?」
しまった、心の声が出てしまった。
丸「あ、すんません。でもAさん誘ってもなかなか応じてくれへんし、社長の退院も決まったからもう言うチャンス作れんと思って」
そうだよ、そもそももうすぐいなくなる人じゃん。
呆然としていたら焦った様子でさらに言い募る彼。
汗すごい。
丸「途中何回ももう帰ろうと思ったけど、Aさんに怒られて、褒めてもらいたくてここまで頑張れたから」
「でも、社長が戻られたらお帰りになるんですよね」
丸「片付けてこっちに戻ってきます。いつかはそうするつもりやったし」
丸「なるべく早く戻るので、そん時は、、、」
その時、酔いつぶれていた職長が「帰る…」と言って立ちあがって、そのまま場はお開きの流れになった。
私はまた呆然としたまま、わたわたとタクシーを呼んでお会計をして職長に水を飲ませる社長代理を眺める。
年下だけど
微妙な立場の上司(仮)だけど
不可解すぎる人だけど
「あ、あのぅ、Aさ〜ん。タイミング悪くてごめんなさい」
職長を抱えてタクシーに乗って、私の方を振り仰いだ社長代理は、またいつもの困った顔をしていた。
これ以上ない位下がった眉を見ていたら、したくなった。
「おやすみなさい」
ビックリした真っ赤な顔の彼に向かって、タクシーが見えなくなるまで。
私はずっと、お手振りをした。
終
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めろんぱん(プロフ) - きりん虫さん» こちらこそ!!!!来年もどうぞ!よろしくお願いいたします!!!!胸キュン年納め、ありがとうございました!!!!!!涙 (2020年12月31日 9時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» 年の瀬にふざけて終わったよ!ブルームーンさんもどうか良いお年を。そして来年もよろしくお願いします! (2020年12月31日 8時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - めろんぱんさん» 肉(笑)お歳暮という事でひとつご笑納下さい。来年もよろしくお願いします! (2020年12月31日 8時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - お疲れさまでした!毎回とっても楽しませて頂きました!良いお年を〜♪ (2020年12月31日 8時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - すばりょーーーーーーーーーーー!!!!!って叫ぶだけのコメント残そうとしたらあとがきで死にました え、肉送ったらいいですか??? (2020年12月31日 7時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん虫 | 作成日時:2020年3月30日 6時