日日是好日 2

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撫でていた手をグッと引かれて、気がついたら彼はそのまま私の胸に頭を埋めていた。


さっきちょっとだけ感じたコアントローみたいな匂いがすぐ下の首筋から立ち昇る。


私は立ったまま彼を抱え込んでいるような体勢になって腰に両手を回されて逃げられないまま、固まっていた。



――わたしのことを、もっとしりたい



大「あかん？」


密着していると、彼の心臓が苦しい位に早く脈打っていることや細かく震えていることが直に伝わってきて、苦しくなった。



それとも、震えているのは、私の方か



踏み込みすぎたじゃん、どうすんのよこれ。



ちょっと身じろぎして足の向きを変えると、太ももになにか硬いものが当たる。

モゾモゾと質量を増す、それは…。



大「痛った！もうあかん！！」


彼は急に股間を押さえて立ちあがった。



大「Aちゃんが乳押し付けてくるから勃ってもうたやん。今の本気やからな、ちゃんと考えてや、俺の事！」


大「ちょっとトイレ行ってくる！！」


あわただしく言うだけ言って急いで保健室を出て行った大倉君の顔は、真っ赤だった。


なにあれ、かーわいい。

押し付けてないし。そっちが抱きついてきたんじゃん。



ラッキースケベに動揺して勃起するようじゃやっぱりまだ子供だな。不覚にもちょっと流されそうになったけども。




「…そんでちゃんと先生って呼びなさいよ」


動揺を隠して呟いた言葉は、誰にも届かないで空気の中に溶けた。







Fin

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