日日是好日 2

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そりゃあ大倉君くらいかっこよくて人懐こかったらそんな可能性は低いとは思うけども。
念のためよ、念のため。


「一応聞いてみただけ。ここに来るといつも、なんか思いつめたみたいな顔してるし」


大「勝手な詮索してかわいそうがるのやめてや」



今度はちょっとむすっとした顔でベッドの端に腰かけた。


コロコロ表情が変わる。

思いつめた顔をしてる時は大人みたいでドキッとする時もあるけど、今は拗ねた子供みたい。



大倉君の担任とは、何度か彼の話をしている。

担任から見た彼は、何でもそつなくこなす器用な生徒。
爆裂にモテるだけで問題児ではない、授業をサボること以外は。

「上等な仮面みたいな顔が何を考えてるかわからない」と担任は言ったけど、保健室では割とわかりやすく感情が顔に出ている。

こんな顔をしてくれるってことは心を許してくれているんじゃないかなという気持ちもあって、私はちょっと踏み込んだ。


無意識に手を伸ばした先に寝ぐせのついた大倉君の頭があったので、手櫛で直してあげる。

子ども扱いして拒否されるかと思ったのに、意外と素直に髪を撫でつけられているクマさん。




「じゃあ、ちゃんと話してよ」


「私、大倉君の事、もっと知りたいと思ってるんだよ」



そう言ったら、彼はまた大人の男みたいな顔で私を見る。


心は閉じてない。
多分、もう一押し。



「何で授業サボって保健室に入り浸ってるの？」


大「――わからん？Aちゃんのせいやろ」




大「俺も、もっと知りたいと思ってるからやんか。Aちゃんの事」





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