セクシー兄貴がちびっこになった件について。

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北山side



仕事が思ったよりすぐに終わって、マネに送ってもらった



もう見慣れたこの家のドアを開ける



…いねぇ



たいがいねぇ！



いつもは音に気付いた瞬間にお迎えに来るのに！



少し焦りつつ、荷物を置きに部屋に入るとそこにたいがいた



ほっと胸を撫で下ろす



何かに夢中なのか、こちらに全然気付かない



藤｢…しゅきらよ、ひりょ｣



え、好きって言った今！？



北｢呼んだ？｣



とりあえず反応してみると、こちらを振り向いてフリーズしている



振り返ったたいの膝の上にはノート



…書いたの、バレたなこりゃ



北｢あ、えと、ただいま…｣



藤｢…おかえり｣



あれ、思ったより恥ずかしい



今までどうやってたいと話してたっけ



北｢えと、それ、勝手に書いてごめんな？｣



なんか、凄く動揺しちゃう



その瞬間、たいがベッドに潜り込んだ



北｢あのー、たい？｣



え、めっちゃ動き早いな！？



どうしたらいいか分かんなくて、とりあえず掛け布団を捲ってみる



北｢た、たい、すけ？｣



藤｢い、今みにゃいで…顔、赤いから…｣



え、なに、かわいい、照れてるの？



どんどん顔が緩んでいくのが分かって、それを見られたくなくて布団を戻す



さっきまでたいの膝に乗っていたノートが近くで開いたままで



"ずっと愛しています”



自分の字が目に飛び込んできて、急に顔の体温が上がった



北｢いや、あの、俺もめちゃくちゃ恥ずかしいんだよね…まさかこんなすぐバレると思ってなかったから…｣



そう言うと、たいはベッドから顔だけ出した



バチッと目が合うと、恥ずかしくて思わず目を逸らす



藤｢きたーま｣



北｢へ？｣



藤｢きたーま、ひりょみちゅ｣



ふにゃんと微笑む太輔に、とくん、と心臓が鳴った



彼の口角は上がったまま



藤｢すぅき｣



ばさっと布団から出て、ベッドに腰掛けた俺を抱きしめている



…大人の藤ヶ谷太輔だったらよかったのにな、なんて



俺に抱きついたまま眠ってしまったたい



そっとベッドに寝かせてノートを手に取る



太輔へ、とペンを走らせる



子供だからきっと分からないだろうけど、とりあえず今日の仕事のことを書いた



次のアルバムに入れる、2人の曲



何個かの候補から俺が選んだ



色気たっぷりなその曲を、俺は大人の太輔と歌えるだろうか



きっと藤ヶ谷ならこれだって言ってくれるはず



な、藤ヶ谷



隣ですやすやと眠るたいの頭を撫でた

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