108 第1部/ 新・夢ノ咲? ページ8
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ふっ、とスバルに抗っていた力が落ちる。
気が抜けた。
もう何を言っても無駄なのだと、分かってしまった。
( 結局零先輩はまた私を遠ざけた )
そんな顔をされたら、もう何も言えないじゃないか。
「…帰る。から、離してスバル」
「え…あ、うん」
「ちょっと待て、右京。その前に転校生に謝るべきじゃないのか?」
「ああ、ごめんね」
「あ、はい…」
「もっとちゃんと」
「ひ、氷鷹くん、私は本当に大丈夫だから…」
そういえば転校生と仲良くするようにと言われたのに、これじゃもう無理そうだな。
頭の片隅でそんなことを考えて、ふら…とドアに向かっていく。
「A、…何かあったら、我輩に言うんじゃよ」
「…」
バタン、とドアを閉めた。
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「転校生、本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。あの子全然力も弱くて、ちょっと押されたくらいの気持ち…」
「うん…俺が抑えてる時も少し力んだだけで動けなかったみたいだし」
「…だったら、いいが」
Aが去った部室の雰囲気は最悪だった。
直前までそれぞれの試練を与えられ、よし行くぞ！という勢いがあったというのに。
零はみんながどうすればいいのか、と考えているのを察知してか「すまんのう」と苦笑いをした。
「巻き込んでしもうて。…あの子こそ、先にあった抗争で胸に深い傷を負ってしまった子じゃ。元凶は我輩にあるにしろ、もうああいう子を産みたくない。…頼んだぞ、“Trickstar”」
「…もっちろん！っていうか、うっきょんのおかげでもっと火がついた感じ！」
「ぼ、僕は何が起きてるか分からなくて口を挟めなかったけど…Aちゃんみたいな、実際に被害に遭った子を見たら何とかしないとって思ったよ…！」
「うむ、その意気じゃ♪」
何とかなりそうか。と胸を撫で下ろす。
問題は氷鷹くんのAへの嫌悪感だが。それはユニットメンバーのこの2人が抑えてくれるであろう。
「それにしてもビックリした〜。右京Aって元気で明るい女の子って印象だったから」
「うんうん、あんなに声大きくして怒るんだね」
「…あんな様子を見てから言うのも信じ難いとは思うが本当はいい子なんじゃよ。…仲良くしてくれると嬉しい」
「はーい！テレビとは違う面見て逆に興味湧いてきたし♪ いっぱい話しかけようね！ゆうたくん！」
「アニキ、すぐ怒らせそう」
「えっそれはやだ！」
ああ、優しい子達だ。
空気を変えようとする2人に、微笑んだ。
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かげやま(プロフ) - LIさん» コメントありがとうございます！ただただ私が書きたいことを書いているので、そう言ってくださる方がいることに喜びを隠しきれないです(;_;)お待たせしてしまうこともあるかもしれませんがこれからも楽しんでもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます。 (2022年9月26日 6時) (
レス) @page44 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
LI(プロフ) - 今日の更新ありがとうございます！本当にこの物語大好きです。毎回泣きそうになりながら読んでいます！このお話の内容が本当に大好きです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年9月25日 20時) (レス) @page42 id: 8345af9beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年8月21日 1時
