107 第1部/ 新・夢ノ咲? ページ7
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「A、何でここに…」
予想外の来客に驚いているのか、零先輩の表情が崩れる。
すっかり変わってしまっている容姿。
前までは人を引き寄せるカリスマ性を纏っていたのに、今は反対に穏やかで柔らかい雰囲気を纏っている。
Aはさっきまでフラフラだった体に力を入れて1歩ずつ歩き始めた。零先輩の隣にいる、女の子に向けて1歩ずつ。
「この子が零先輩の『お気に入りの子』なの?」
「…おぬし、何か勘違いを」
「ねえ」
「!? ぇ、ちょ」
「おい何をしてる、右京！」
Aは転校生の顔を見るためにグイッと胸ぐらを掴んだ。
女子にしては少し高い身長、とびきりかわいいわけではない顔、おどおどした表情。
( …こんな子が、何の力になるって言うの… )
「…っ、私の方が何倍も何十倍も力になれるよ…！
こんな昨日来たばっかの何もできない子よりも！」
「ちょ、っと！うっきょん！転校生から手を離して！」
「っ」
突然両脇に腕を入れられ、転校生から離される。
誰か確認するとそこには驚いた顔をしたスバルがいた。
「スバル離して！あんたに関係ないでしょっ」
「わ、暴れるな〜！いきなりどうしたの? 何でそんなに怒ってるの…?」
「うるさい！…零先輩、そんなに…そんなに私のことを使えない人間だと思ってるの? 私は零先輩が海外に行ってる間も“みんな”の横に並べるように頑張ったよ…。全部全部みんなといたいから頑張ってたの…」
「…」
あの日、呪いをかけられた時から考えていた。
いったい何が悪かったのか。何が足りなかったのか。
だけど夏目は言っていた。Aを守るためだったんだ、って。
「私を守るためだって…? 勝手に、そんなこと、決めつけて守んないでよ…っ！みんなのそばにいるために頑張ってきた私は遠ざけて、何も知らないその子は平然と零先輩に隣にいるのは何でなの!!」
頬を伝う涙が止まらない。泣きたくないのに、視界はぐちゃと歪み続ける。悔しくて悔しくて仕方がない。
「…うっきょん、」
「…っこんなことするくらいなら、最初から突き放せばよかったのに…！私のことが嫌いなら！友達になんてならなければよかったのに！」
そうしたらこんなに苦しまなかったよ。
零先輩に、こんなこと言わなくて済んだよ。
「……こうなると分かってても、一緒にいたかった」
( ……ひどいね、)
ひどいよ。そんな顔をして言うの。
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かげやま(プロフ) - LIさん» コメントありがとうございます！ただただ私が書きたいことを書いているので、そう言ってくださる方がいることに喜びを隠しきれないです(;_;)お待たせしてしまうこともあるかもしれませんがこれからも楽しんでもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます。 (2022年9月26日 6時) (
レス) @page44 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
LI(プロフ) - 今日の更新ありがとうございます！本当にこの物語大好きです。毎回泣きそうになりながら読んでいます！このお話の内容が本当に大好きです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年9月25日 20時) (レス) @page42 id: 8345af9beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年8月21日 1時
