目覚め ページ6
耳元で声が聞こえた。
「うっ…」
「お嬢様ぁぁぁ!!」
目の前で滝のように涙を流すのは私のお傍付き侍女。
今時侍女なんて古風と思うけど上流階級ならば普通にあるのだ。
「フィリーネ」
「うっ…どうしてあんな場所に行かれたのですか。あんなクズ男の為に命を捨てるような真似をなさらないでくださいませ!」
一応元婚約者である。
しかも旧華族なのだけどフィリーネはこれでもかというほど罵倒を浴びせる。
「フィリーネは悔しゅうございます!何故お嬢様がこのような仕打ちを」
未だに涙が止まらないフィリーネだが、あの後どうなったのか。
「機動隊の皆様!!皆様は無事なの!」
痛む体を抱き起こしフィリーネに聞く。
原作通りなら確実に萩原さんはなくなっているしゲーム通りでもあそこにヒロインはいなかった。
すると通常ルート?
「重傷を負った方は誰一人おりませんわ。怪我人はいらっしゃいましたが」
じゃあ、萩原さんは生きている…
「良かった」
「良くありませんわ!お嬢様はしばらく入院ですわ…全治三か月ですのよ」
え?全治三か月?
もしかして入院生活を送れる?
「しばらくは療養するようにとのこと…打撲傷、骨折もしておりますわ。お嬢様が一番重傷ですわ」
ごめんなさいフィリーネ。
これは殆ど元婚約者とその取り巻きによって怪我をしただけであって萩原さんが悪い訳ではない。
とは言え、真実を言えばフィリーネが殴り込みに行くかもしれない。
「失礼いたします」
そこに執事のセバスチャンが入って来る。
「お嬢様、機動隊の方がいらしていますが…どうしましょう」
「なんですって?」
眉を顰めるフィリーネ。
かなり怒っているので抑えながら告げる。
「お通しして」
「かしこまりました」
応接室に通すように伝え私は急いで着替えをする。
「お客様に失礼だからお願いね」
「はい…」
できるだけラフな格好のワンピースに着替えてカーディガンを羽織りフィリーネに支えてもらいながら私は応接室に向かった。
「失礼いたします」
声をかけて中に入ると…
ズドーンと落ち込んだ萩原さんと松田さんに上司らしき人が控えていた。
なんだ、この空気は。
とても重苦しい状況に私は眩暈がした。
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まみこ(プロフ) - おもしろいです、更新頑張ってくださいです!! (2022年8月31日 4時) (レス) @page27 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 面白いです!続きが気になります。 (2020年6月7日 2時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ポテと(プロフ) - 面白いです!!更新がんばってください!! (2020年1月21日 9時) (レス) id: 82c559de23 (このIDを非表示/違反報告)
MAICO - すいませぇぇん!!お相手書いていました。よく最初を読んでなかったものですいません、 、以後お言葉には気おつけます、、、、あはは (2019年12月3日 21時) (レス) id: 164c86cd11 (このIDを非表示/違反報告)
MAICO - 最高です。物語は、自分で決めているからね...でも凄く面白いし、すぐ読みたくなるし、とにかく好きです!更新是非楽しみに待っています!!頑張って下さい!ちなみに、オチはきまってますかね??秘密だったら楽しみにしています!更新頑張って下さい!!!!!(うるちゃい) (2019年12月3日 21時) (レス) id: 164c86cd11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2019年11月3日 16時