【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

ｇｉｖｅ ＆ ｔａｋｅ ページ22

自立するにもお金は必要だった。
バイトをしたい所だが、お嬢様育ちなのでコンビニでバイトなんて許してもらえるわけもない。


「アクセス数は伸ばしているわね」

ラノベは順調で、常に上位をキープしている。
読者から評価があれば、ある程私の懐はあったかくなるし、作家デビューを果たせば書籍化してもらい収入を得ることができる。


「一人で食べて行くだけの収入は見込めるは」

お金とは計画性をもって投資して運家することが必要で常にお金の回り方を考えるのが重要だった。

博打などで儲けようなんて馬鹿のすることだった。


「失礼しますお嬢様」

「フィリーネ」

「先日仰せつかった荒れ地の資料でございます」

机に置かれた書類の山は、地方の空き地の関するものだった。

「しかし、どうなさるのですか？」

「フィリーネ、私はこれまで箱庭で生活をしていました」

紅茶を飲みながら真剣な表情で訴える。


「お嬢様？」

「お父様は警察庁長官と言う立場にありますが、財源は国民の税ですわ。その意味を解っていて？」

もちろん早乙女家は他にも土地もあるし、事業をしている。
正確には早乙女当主名代ということになっているのはお父様が公務員故だけど。

お父様のお給料は税金によって賄われている。
ようするに国民に食べさせてもらっているのも同じだ。

皇族もしかり。
なのに、そのことを理解しているのは皇族の直系だけで遠縁や旧華族は理解なんてしていない。


「地方では農産業が立ち行かないというのに日本は貧富の差があまりにも激しいではありませんか」

「はい…」

「イギリスでも似たようなことはありますが救済処置をしています」

ヨーロッパでは王族、貴族が何らかの対策を取っている所も少なくないが日本は未だになんの対策もできていない。

「立場のある人間は義務と責任が伴います」

「oblesse oblige」

「そうです。ノブレス・オブリージュがまるでありません」

私が計画を進める中で、調べていた。

甘い汁を吸うだけ吸う輩が多く、日陰で苦労している人間は甘い汁の一滴すら与えられないと言う事実はあるまじきことだ。



「見込みのある農業に資金を支援しようかと思います」

「お嬢様！」

「もちろん、見込みがなければ援助はしないわ。ただ施しを与えるなんて一方的だもの」

慈善活動の一環と言えば聞こえがいいけど、相手側からすれば自尊心を踏みつけられたことになりえるのだからgive ＆ takeで行くべきよね！

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