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暴力を思わせる表現がございます。
閲覧注意
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「おかえり、げんき」
「ただいま…」
帰宅すれば彼が来ていたようで、出迎えてくれた。
靴を脱いで彼を越し、リビングへ行こうとすれば腕を掴まれた。
反射的にびくっとして、ゆっくり彼を振り返る。
彼は無機質な表情を岩橋の首元へと近づけた。
「……ねぇこのにおい、なに？」
「…っ」
神宮寺の匂いだろう、それしかない。
気をつけていたのに、上から香水をかけるのを忘れていた。
「浮気？ねぇげんき、人とは一定の距離とるって約束したでしょ？特に、あの神宮寺くんとは」
悲しげに眉をひそめたかと思えば、掴んでいる手に力を込められあまりの痛さに座り込む。
「ぁっ…いたい」
「なんで約束守ってくれないの？俺のこと、好きじゃないの？」
「好き…！痛いよ、離して…」
その手から逃れるように腕を捩っても、彼の手はびくともしない。
「ごめん、ごめんなさい」
「…悪い子にはお仕置き、しなきゃね」
「っ……」
これから起こるであろうことに身を震わせた。
そして思い浮かんだのは神宮寺の顔だった。
刹那、体に走る鈍い痛み。
腕は開放されたものの、赤くなっている。
腕で顔を守りながらひたすら耐えていると、携帯が震える音がした。
そこで一瞬、彼の動きが止まる。
ディスプレイを見ると、神宮寺の文字。
『これ以上、傷つかないで』
思わず出た瞬間、携帯は彼に取り上げられていた。
「神宮寺、ねぇ」
「っ、」
声を出すより早く、先程とは比べ物にならない程の痛みが襲ってくる。
携帯は切られ、簡単に投げ捨てられた。
「…もっ、…やめて」
「お仕置きだもん。お仕置きしなきゃ、わかんないんだもんね？」
「もう約束破らないから…許して」
「……うーん、そうだなぁ」
無理やり立ち上がらされて、リビングへと連れていかれる。
「もうげんきが誰かといるの耐えられないから、ずっと一緒にいる方法考えたんだ」
大好きな彼の笑顔が、歪んで見えたと同時に。
好きです、と伝えてくれた彼が重なった。
「………」
彼の名を呼び、首に手を回し軽く触れ合うだけのキスをする。
大好きな、大好きな人。
「ごめんね」
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きぃぽぽ(プロフ) - 花さん» 花さん*はじめまして、コメントありがとうございます！ほんの少しの文なのに、そうして雑誌まで見返して頂いて！嬉しい限りです。最後まで是非お楽しみください (2020年1月5日 20時) (
レス) id: 8ca93dc13a (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 他にない視点のおはなしでいつもどきどきしながら読ませていただいています＊＾＾＊覚えある雑誌のシーンに「あ！」と切り抜きあさりました(笑)いつも素敵なお話ありがとうございます＊＾＾＊つづきもたのしみにしています♪ (2019年12月29日 8時) (レス) id: 5858306d0d (このIDを非表示/違反報告)
きぃぽぽ(プロフ) - ななみさん» はじめまして、ななみさん*読んで頂き、ありがとうございます。とても嬉しいお言葉です、本当にありがとうございます。これからも楽しんで頂けたら幸いです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 8ca93dc13a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はじめまして。読ませていただいて、優しい空気感惹かれました。読んで、映像が(映画みたい)頭に浮かんでくる作品が好きです。きぃぽぽさんの作品をもっと読みたいです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年11月7日 16時) (レス) id: 56b007f690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きぃぽぽ | 作成日時：2019年11月3日 22時
