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「ついたよ、部屋まで行く?」



自宅の前にタクシーがとまり、神宮寺が優しく肩を揺らす。
うーん、と返事にならない声を出しながら、はっ、と思い出す。

連絡を入れていないし、神宮寺のことを目の敵にしている彼に会わせるわけにはいかない。




「ううん、大丈夫。……きょーは、あり、がと」



ふらつきながらもタクシーを出、心配する神宮寺に断りを入れてマンションへと入っていく。


スマホは通知を知らせる点滅を繰り返していて、あぁ、やってしまったかなと胸を痛めた。






ーーガチャ
ドアを開けると、奥の部屋の明かりが彼がいることを知らせる。


ゆっくり、リビングまでいけば背中を向けていた彼がこちらを振り向いた。



「連絡してって、言ったのに」



「…ごめん…でも、仕事の飲み会、だし」




ふわふわした気持ちのまま答えて、彼を通り過ぎベッドに倒れる。





「…………げんき」




その横に彼も寝っ転がって、ぎゅっと抱きしめられる。


温かい、落ち着くなと目を閉じた刹那。








「………このにおい、なに」








冷たい声に、背筋を凍らせた。





「んん、なに……?」




あくまで眠い様子を変えずに声を出せば、抱きしめられている手に強い力が入った。




「このにおい、神宮寺くんのでしょ?」




「次、じんぐーじも一緒だから……」




「近づかないし、触らせないって約束したのに」






抱きしめられていた手が解かれたと思うと、仰向けに体を動かされ、彼の冷たい目が自分を見つめていた。







*

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きぃぽぽ(プロフ) - 花さん» 花さん*はじめまして、コメントありがとうございます!ほんの少しの文なのに、そうして雑誌まで見返して頂いて!嬉しい限りです。最後まで是非お楽しみください (2020年1月5日 20時) (レス) id: 8ca93dc13a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 他にない視点のおはなしでいつもどきどきしながら読ませていただいています*^^*覚えある雑誌のシーンに「あ!」と切り抜きあさりました(笑)いつも素敵なお話ありがとうございます*^^*つづきもたのしみにしています♪ (2019年12月29日 8時) (レス) id: 5858306d0d (このIDを非表示/違反報告)
きぃぽぽ(プロフ) - ななみさん» はじめまして、ななみさん*読んで頂き、ありがとうございます。とても嬉しいお言葉です、本当にありがとうございます。これからも楽しんで頂けたら幸いです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 8ca93dc13a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はじめまして。読ませていただいて、優しい空気感惹かれました。読んで、映像が(映画みたい)頭に浮かんでくる作品が好きです。きぃぽぽさんの作品をもっと読みたいです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年11月7日 16時) (レス) id: 56b007f690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きぃぽぽ | 作成日時:2019年11月3日 22時

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