[続] 私の王子様 2 - Yuta.Kishi -

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「あ、岸くんいた！」





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キョロキョロとしたあと


教室に入ってきた白石さんはそう言った





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「どした？」





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優太くんは相変わらず


優しい目で白石さんを見る





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「後夜祭一緒に行かないかなぁ

って思ったんだけど遅かったかな....。」





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そう言って白石さんは


残念そうに私を見た





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『私、行かないよ。』





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だって仕方ないじゃん





私に勝ち目なんてないもん





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『文化祭お疲れ様、じゃあね。』





「っ、A！」





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私を呼ぶ優太くんに背を向けて


スクールバックを持って教室から逃げた





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きっと私が帰った後


何事も無かったかのように


優太くんは白石さんと後夜祭に行く





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『........。』





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自分から行かないって言ったこと


今更後悔しても遅いのに





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靴箱に向かうと


廉くんがいてまた私を苦しそうに見た





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「帰るか？」





『.....うん。』





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私は靴を履いて廉くんの隣に並ぶ





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_____岸くんが他の女の子といるの嫌だから





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いつか自分が言ってた言葉は覚えてる





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でも1人になれる程


今の私は強くなかった





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「紫耀に言ったんやって？」





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廉くんは私を見て静かに言う





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「俺は違う学校で頻繁に会われへんから

Aになんかあったらよろしく、

って紫耀に頼まれたわ笑。」





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....紫耀らしい


昔もいつも私の事ばっかだったな





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『ごめんね。』





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謝る私のおでこに


廉くんはデコピンをしてきた





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『いったぁ！なんで！？』





「なんとなく。」





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そう笑って言う廉くんは


意地悪だけど





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本当は優しい人





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