[続] 私の王子様 2 - Yuta.Kishi -

073 K side ページ22

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Aと廉が帰ってきたのは


全学年の舞台発表が終わったあと





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「途中でAしんどくなってもうてさ。」





「ごめんね。」





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申し訳なさそうに謝るAの目には


うっすら影があって





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どこか無理してんじゃねぇかって思うくらい





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儚げで


今にも消えそうで





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....、もしいなくなったら


俺は探しに行く資格あんのかな





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明日の模擬店の装飾が終わって


一緒に帰ろうとしたけど


まだ実行委員は仕事があるらしく


Aを靴箱で待つことにした





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その間も考えるのは


白石ちゃんのこと





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....あの時、俺はどうしたらよかったんだ





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自問自答を繰り返しても


答えなんか出てこない





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そんな事を考えてたら


Aが階段から降りてきた





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.....廉と一緒に





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実行委員だから仕方ねぇよな...





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『A、帰ろ。』





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慌てて靴を履くAと


切なそうな顔をする廉を置いて歩き始めた





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.....まではよかったけど


話す内容なんて俺になくて





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あるのは罪悪感だけ






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何度か言葉を交わしたけど


頭に入ってこねぇし


続かねぇし





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すぐにAの家に着いてしまった





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ばいばい、と言って


玄関に消えていくAの腕を掴んでキスをした





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白石ちゃんの感触を忘れるように





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何度も





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何度も





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途中でAが苦しくなったのか


俺の肩を押して一旦離れたけど


壁に押してまたキスをする





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「......っん.....、」





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Aの漏れた声と同時に


俺は我に返った





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目に涙を浮かべて


息遣いが荒いAに





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ごめん、と


だけ言って俺はAの元を離れた





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