25 side...REN ページ25
紫「………2回目やで。」
無言で歩き出した紫耀の背中を追って辿り着いたのは、ホテルの中庭やった。
メインの散歩コースからはちょっと離れたところにある、小さな池の畔に佇むロココ調のガゼボ。
なんでそんなところにオスのヤンキーゴリラと2人でおらなあかんねん…
なんて普段ならブーブー文句言うところやけど
今日の俺は、殊勝に項垂れるばかりやった。
廉「……すまん。」
紫「…ま……コース外れて連れ回したのはお前やけど、わざと逃げ出したのはアイツやからな。今回の結果は、お前ばっかが悪いワケとはちゃうわ。」
廉「えっ…」
思わず顔を上げて紫耀の顔を見ようとしたけど
俺の目に映ったのは、両手をデニムのポケットに入れたまま
ぼんやりと薄曇りの夜空を見上げる、形の良い小さな後頭部だけやった。
紫「俺が怒っとんのは、今回のこととちゃうで。…分かる？」
廉「…？？？全然分からへん。何？？」
少し丸めた厚みのある背中から、目には見えない怒りの炎が立ち昇り始める。
目すら合っとらんのに、ビシビシと腹の底に伝わってくる威圧感。
不良の吹き溜りの中で拵えた�狹狙發離�ング″の称号は、どうやらまだ錆び付いてはいないみたいやな…
紫「…なんでフッたん？」
廉「……へ？」
紫「ガキの頃から、好きで好きでしゃあないぐらい好きやったのに。…なんでようやくAがその気んなった今になってフッたん？」
何の話か分からなすぎて、ぽかんと口を開けたままフリーズしてもーた。
けど背を向けとるせいでそんな俺を見とらん紫耀は、イラついた口調のまま話を続けた。
紫「Aの告白、鼻で笑ってシカトこいたくせに。その気があるって分かった途端に手だけは出すって、一体全体どーゆーことなん？
拗らせるにしても限度ってもんがあるで。
Aがどんだけ傷ついたか、お前分かっとらんやろ。なのに無理矢理理由つけて同じ班組んで、偶然会った地元の友達には�狆せ箸ぁ躙世Δ燭鵑笋董�
何なん、お前。何様やねん。ホンマええ加減にせぇよ。」
廉「い、いやいやいやいや…！！！！待って待ってぇ！？！？」
慌てて上げた悲鳴寸前の声は、いつもより尚一層高く
日の暮れた、無駄にメルヘンな庭の中へと
どこか気の抜けたような音で、響き渡った。
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きのこ(プロフ) - renrennagachanさん» 爆笑頂きましたー！！ありがとうございま〜す！！最近になって「ラブシチュの続き希望」と言うお声を頂き、「あ、コレが好きな人いるんだ…」と気づいた作者です。嬉しい！これの続きの短編もありますので、もし気になったら覗いてみて下さい〜 (2020年10月7日 15時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
renrennagachan(プロフ) - はいダメぇぇぇー！のくだりがマジで永瀬廉すぎて頭抱えました爆笑サイコーです！！こっそり続き待ってた根っからのび太系女子なので今回とても嬉しかったです！！ジャイ廉ごちそうさまでした！！！ (2020年10月7日 0時) (レス) id: 91d0c85321 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ちいさん» ありがとうございます(^^)こちらのお話は私も気に入っていたので、楽しんでもらえて嬉しいです！！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - もう本当に本当におもしろくてキュンキュンして最高でした！これからも楽しいお話書き続けて下さい！待ってます！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: 07dfb12e8b (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - とぅーしょーさん» もう全身のどこにも見当たらないキュンを無理やり絞り出しました…。楽しんでもらえたようで嬉しいですヽ(´▽｀)/ (2020年4月30日 15時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年4月17日 1時
