4 ページ4
彼が描いた私の絵は、どう見ても本物より5割増しぐらいには綺麗だった。
『…ありがとう、派手に盛ってくれて。
遺影にするね。』
海人は「あはは」とやはり甘ったるい鼻声で笑ったかと思ったら、
「てか盛ってないし！
俺にはこう見えたんだって！…今もだよ？」
と、長い睫毛を伏せて微笑みかけて来た。
『海人くんさぁ。』
「�牾た諭蹐任いい茵２燭�？」
『学校でめっちゃモテるでしょ。』
「うーん。まぁ…ボチボチ？
でもあんまり興味無いんだ…女の子。
みんなで固まってる時は好き勝手言うくせに、1人じゃ何にもできないじゃん。
俺寂しがりだけど、あの子たちといるなら1人でいい。」
ふと
さっきは見間違いかと思った、冷たい目。
目の前に広がる南国の景色を通り越して、どこか遠くを見つめている。
『ふーん。でもさ、女の子も色々だから。
いい子もいるよ、きっと。
クラスの半分もいるのに、全員と気が合わないってこと、ないんじゃない？』
海人は驚いたように大きな目をパチパチさせると、
「Aちゃんてポジティブなんだねぇ。
俺ネガティブだから、そんな風に考えたこと無かったぁ！」
と、なぜか嬉しそうな声を上げた。
……ネガティブには見えないけどなぁ。
ニコニコしてるし、普通に明るい子に見える。
年頃を考えれば、むしろ社交的なような。
首をかしげる私には構わず、海人はゆっくりと席を立つと
「さ、そろそろ戻ろっか！
新郎同僚の余興の�牋Δ肋，帖蹇捗�わったみたいだし。」
言われてみれば、風に乗って下から聴こえていた何とも言えない歌声が止んだかもしれない。
細い肩を揺らしてスルリとバルコニーから部屋の中へ移動した海人は、そのままスタスタと会場へと戻って行った。
一緒に戻った私は、その後の式の最中に何度か彼の方へ視線を投げたけど、私たちの目が合うことは一度も無く
口元に微笑みを浮かべる海人の目はなぜか、暗く冷たい洞窟のように見えて
私がさっきバルコニーで話していた子は、一体どこへ行ったのだろうかと
なんだか、不思議な気分になった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1022人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「永瀬廉」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きのこ(プロフ) - _to_shoさん» おぉ、ありがとうございます！ノープランでしたけどwwそうです、これは「ビタスイの廉くんポジが別の子だったら」という仮想空間のお話なので、相手は一律ニブ嫁の伊澤ちゃんです！なので本編とはリンクしません！わっかりにくぅい！！ (2020年1月22日 3時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 続編希望です！！伊澤さんって、廉くんの奥さんになる伊澤さん？！ (2020年1月22日 0時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ひとみさん» 「病んでるな」からの「今年もよろしく〜」の落差に痺れました（笑）大丈夫です。なぜかここのコメント欄はそういった性癖を元気に叫んでらっしゃる皆様に支えられております…。ダークかいちゃん万歳。今年もみんなで偏りましょう！ (2020年1月5日 8時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - ふわふわ海ちゃんよりこっちのダーク海ちゃんの方が好きです。ダーク海ちゃんにもっとめちゃくちゃにされたいわぁ〜(闇)。廉くんも、見下される冷たい目の廉くんが好きです(聞いてない)。病んでるな、わたし。今年もよろしくお願いします。 (2020年1月5日 1時) (レス) id: b9920886af (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - あわたん☆さん» むしろこんな味付けしかできないみたいですww初メインのカイちゃん、楽しんでもらえて嬉しいです！！よいお年をお迎え下さいww (2019年12月29日 16時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きのこ
| 作成日時：2019年12月21日 0時
