第五十一 ページ3
ドガっと勢いよく重たいドアを蹴り、信は大きな声で、
信「終わりだ悪党共!」
と、言い放つ。
中には数人の大臣が居たが"成蟜"は一目で見分けがついた。逃げ回る大臣とは違って玉座に寝転がりゴミを見るような目で見下ろしているのだから。
信「お前が成蟜か。覚悟できてんだろうなてめェ。」
成蟜「死罪だ。」
何を言うかと思えば、落ち着いた第一声。そして後に続けた。
下らない理由をつけて死罪だ死罪だと言いつける。そんな成蟜に腹が立って仕方ない。下僕育ちの私でも分かる。こんな奴に国を任せてはいけない、と。
それは信も同じだ。
信「秦の大王は政だ!!お前はただの反逆者だ!!」
成蟜「貴様……ただで死ねると思うなよ…。」
成蟜が勢いよく「ランカイ!!」と叫ぶと同時に私達は武器を構えた。
その時だ。
夕「っ!……。」
真上から私の頭を目掛けて落ちてくる巨大な怪物。
(あ、足が………)
信「夕っ!!」
震えで一歩も動けない私ね背中を信が押してくれた。
信「何だてめェは!!」
斬りにかかるも足一本斬れず、直ぐに怪物に投げ飛ばされ気絶してしまった。
貂「信っ!!」
夕「信!大丈夫?!信、目を開けて!!」
(どうしよ……どうしよ……何とか、何とかしなきゃ)
夕「わっ私も…」
剣を抜き、バジオウやタジフ達が戦っている元へと走り出そうとすると直ぐに貂ちゃんに「行っちゃダメだ!」と止められた。
夕「でも…。」
貂「……隊長の双刀でも斬れないんだ。」
たった一人。だけどその巨大なたった一人にどう対処すればいいか分からない。左慈の時も今も、私は何も出来ていない。
何が大王様をお守りする、だ。守っているのは私じゃない。
貂「!…夕、大丈夫だよ。」
(ああ、ダメなのに……分かってるのに…)
こんな小さい子にまで、心配させるなんて、
信「ボソ))……な、くな。…夕、泣く、な。」
貂「見ろ!
成蟜「誰が休めと言ったランカイ!!貴様の存在価値は殺すことだけだ!!さっさと叩き潰せ!さもなくば、お仕置きだぞ。」
それまで此方が押していた。だけど"お仕置き"と言う言葉を聞いた途端また戦意を吹きかえらせた。
この怪物にとって、どれほどお仕置きが恐ろしいのだろうか。そして怪物が恐れるほどの事を成蟜はしたのだろうか。
やっぱり、
夕「貴方みたいな人が秦国の王になってはならない!」
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モモ(プロフ) - メッセージが続いてしまいごめんなさい。この作品のお陰でキングダムの漫画を読んでみよう!と思いました。これからも応援しています。次の更新がいつになるかわかりませんが、とても楽しみにしています。 (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - すみません...。慣れていなくて先程、書き終わらないままメッセージを送信してしまいました。私は最近キングダムの映画を見てこの小説に出会いました。とっても大好きです!!作者様が今はどうかわかりませんが、私は今高校生で生活の息抜き、楽しみとして読んでいます (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして! (8月15日 22時) (レス) @page10 id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
ままま - めちゃくちゃ面白いです。最近映画の最新作を見て、キングダム最熱しておりました。その折にこの小説に出会い一気に読んでしまいました。続きが気になりどうにかなりそうです。暑い日が続く昨今ですが、どうかお体には気をつけてご自愛のほどお祈りいたしております。 (7月31日 15時) (レス) @page10 id: c2c76806e1 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - 心さん» ありがとうございます。これからも頑張ります(^^) (2022年9月23日 11時) (レス) id: 7bf82b942c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星の空 | 作成日時:2020年3月21日 22時