検索窓
今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:60,856 hit

第五十 ページ2

夕「ハァ……ハァ……」


唾を飲み込むと血の味がする。何人斬ったか分からない。無我夢中で振り回した。



大臣の命令で三万三千で訪れたのだが五十人にまでが王宮の中で入れることになり、そこからまた私達は別働隊として右龍の回廊から成蟜を狙った。

だが、それを読まれていたようで途中で出くわした肆氏の片腕の左慈が待ち受けていた。

彼の強さは以上だった。二振りで山の民を倒し流れを変えるほど。壁さんも深い傷を負ってしまった。
そしてその左慈を信が今倒したのだ。



力が抜けてその場に座り込むと貂ちゃんが駆け寄ってくる。



貂「夕!!大丈夫か?!」

夕「……うん。貂ちゃんは大丈夫?それに壁さんは、」

貂「俺は全然。壁も大丈夫だ。」



ほら、と指をさす方向を見ればタジフさんに担がれた壁さんに「よっしゃ、成蟜を討ちに行くぞ!」と拳を上げた信がいた。




回廊の迷路を突き進めば本殿に着く。


あっちは大丈夫だろうか。とそんな事を考えながら足を進めた。




別働隊として別れる前の事だ。



·



嬴政『ここから先は二手に別れる。壁、頼むぞ。そして夕、お前も行くんだ。』

夕『え、嫌です。私はこっちで大王様を守ります。』



大王様を守れ。そう昌文君さんに漂にも言われた。だからこのまま大王様の近くにいるのだと思っていたから、咄嗟に出た言葉だった。



嬴政『こっちには昌文君や楊端和もいる、大丈夫だ。だから少しでも早くお前は成蟜を討て。そしてまた玉座の前で会おう。』



·





あの時、この戦いが失敗したらという不安がまだて消えいない私の中で、何故だか"離れたくない"そう思った。



(大丈夫、だろうか。)



貂「気になるの?」

夕「え?」



隣の貂ちゃんが私の顔を覗き込みそう聞いた。



貂「さっきからずっと政達がいる方向見てるから。」

夕「うん、ちょっと心配かな。」

貂「…夕って政の事好きなの?」



急に何を言われるか。あまりのことに思わずつまづいてしまう。



貂「当たり?」

夕「っそんな訳ないでしょ!あんな冷血大王様なんて!!」

貂「なーんだ、違うのか。二手に別れる時も、今も政と離れて寂しそうにしてたからてっきり。」




好き?寂しい?


私が大王様に?




ありえない。だって私は漂が好きなのだから。









壁「あれだ。」




一際大きな扉、一目でわかる。





決着の時がそこまで来ていた。

第五十一→←第四十九



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (184 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
540人がお気に入り
設定タグ:キングダム , KINGDOM , &23348;政   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

モモ(プロフ) - メッセージが続いてしまいごめんなさい。この作品のお陰でキングダムの漫画を読んでみよう!と思いました。これからも応援しています。次の更新がいつになるかわかりませんが、とても楽しみにしています。 (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - すみません...。慣れていなくて先程、書き終わらないままメッセージを送信してしまいました。私は最近キングダムの映画を見てこの小説に出会いました。とっても大好きです!!作者様が今はどうかわかりませんが、私は今高校生で生活の息抜き、楽しみとして読んでいます (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして! (8月15日 22時) (レス) @page10 id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
ままま - めちゃくちゃ面白いです。最近映画の最新作を見て、キングダム最熱しておりました。その折にこの小説に出会い一気に読んでしまいました。続きが気になりどうにかなりそうです。暑い日が続く昨今ですが、どうかお体には気をつけてご自愛のほどお祈りいたしております。 (7月31日 15時) (レス) @page10 id: c2c76806e1 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - 心さん» ありがとうございます。これからも頑張ります(^^) (2022年9月23日 11時) (レス) id: 7bf82b942c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星の空 | 作成日時:2020年3月21日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。