第四十九 ページ1
貂「キャハハハ この面だっせー!」
貂ちゃんや、他の兵士さんの笑い声が耳に入る中、私は少し離れた隅にいた。
ハァとため息をつきながら手の中にある耳飾り見る。
チャラチャラと音を出せばキラリと光って、漂を思い出す。
ザッと足音のなる音に顔を上げればそこには凛とした表情が此方を見下ろしている。
夕「よ、楊端和さん……。」
楊端和「浮かない顔だな。何かあったのか?」
夕「何かって訳ではないんですけど、もし王座奪還が失敗に終わってしまったらと考えたら今になって少し怖くなって。」
楊端和「皆を信用してないのか?」
夕「いっいえ、そんな事はないです。」
楊端和「ならば自信を持て。少なくとも私達はお前の言葉があったからここにいるのだ。大丈夫だ、皆を信じろ。」
いいな?と首を傾ける楊端和さんにうん、と頷く。
楊端和「では、もうじきここを出るぞ。準備をしておけ。」
去っていく後ろ姿までも凛としていてかっこいい。
『大丈夫だ、皆を信じろ。』
夕「……よしっ!」
パンッと両頬を叩き立ち上がる。
と、同時に大王様が言った。
「帰るぞ、咸陽へ」
そして目的地に着いたのは馬を走らせて一晩経った時。
いつ見てもそこは大きくて広い。
夕「…戻りましたね。ついに。」
嬴政「ああ。随分かかったな。」
────秦国王都咸陽だ!────
信「これが…咸陽……でかすぎて一体何が何だかさっぱり分かんねェよ!!」
私が初めて来た時と同じ反応をしている。
(いや、こっちの方がもっとオーバーリアクションかな。)
策の通り、私達は盟を復活させるべく下山してきたと伝えると無傷で門を通る事ができた。
嬴政「夕、俺と弟の問題に漂を巻き添えにしてしまった事、本当に悪かった。」
夕「え……。」
びっくりした。まさかそんな事を言われると思わなくて。
嬴政「漂はよく信とお前の話をしていた。その時の漂がまるで宝物を見せるように楽しそうだった。
今回の事がなければ、お前達に会うこともなかった。そして漂が死ぬこともなかった。」
すまなかった。と申し訳なさそうに言った。
夕「私は大王様に出会えてよかったですよ。
漂の夢は信が叶えます。大王様はどうか、漂の分まで生きて中華統一を成し遂げて下さい。」
いよいよ、決着の刻。
名前変換されてませんでしたので訂正しました。
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モモ(プロフ) - メッセージが続いてしまいごめんなさい。この作品のお陰でキングダムの漫画を読んでみよう!と思いました。これからも応援しています。次の更新がいつになるかわかりませんが、とても楽しみにしています。 (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - すみません...。慣れていなくて先程、書き終わらないままメッセージを送信してしまいました。私は最近キングダムの映画を見てこの小説に出会いました。とっても大好きです!!作者様が今はどうかわかりませんが、私は今高校生で生活の息抜き、楽しみとして読んでいます (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして! (8月15日 22時) (レス) @page10 id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
ままま - めちゃくちゃ面白いです。最近映画の最新作を見て、キングダム最熱しておりました。その折にこの小説に出会い一気に読んでしまいました。続きが気になりどうにかなりそうです。暑い日が続く昨今ですが、どうかお体には気をつけてご自愛のほどお祈りいたしております。 (7月31日 15時) (レス) @page10 id: c2c76806e1 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - 心さん» ありがとうございます。これからも頑張ります(^^) (2022年9月23日 11時) (レス) id: 7bf82b942c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星の空 | 作成日時:2020年3月21日 22時