教えて、結び方 2 (ページ10)

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長瀬 side

雫『初めまして、竜生の幼なじみの足立雫です！君が結星くんだよね？』

『はい！深田と小学校から同じの長瀬結星です！』

中学の入学式で深田に連れてこられた下駄箱で、彼女と初めましての挨拶を交わした

雫『竜生からよく話聞いてたんだあ、会えるの楽しみにしてたの！これからよろしくね？』

クラスの女子とは割と話す方で、みんなで遊んだりなんてことはよくあったけど

年上の女子と話すなんてことは初めてで、

1つしか年が変わらないというのに、彼女は全然違って見えた

家が近所で幼なじみの深田と雫さんは同じ幼稚園に通っていて、小学校も深田が転校してしまうまで同じだった

絶対に竜生と同じ中学に通うの！と両親の反対を振り切り、少し遠いこっちの中学に通っているみたいで

その話を聞いて、すぐに諦めようと思った

俺が雫さんに振り向いてもらえる可能性はゼロか、って

でも、あの日、

それは俺が中学2年に上がった年の夏で、ちょうど大雨警報が出てた日だった

俺は教室で今日までに提出しなければいけない課題に取り掛かってて

やっと終わったって出しに行こうって思った時、

突然ガラッと開いたドアの先に、

ビショ濡れの雫さんが立っていた

『…えっ』

雫『結星っ、助けて………っゆうせい…！』

ビショ濡れの雫さんは、泣きながら、縋り付くように俺の名前を呼び続けた

ギュッとされた腰にドキドキする自分もいて、

だけど手を回していいのかなんて分かんなくて

苦しいよって俺の顔を見る雫さんをどうしても引き剥がすことが出来なかった

『もう暗いし、雨降ってるし』

俺ん家来ますか、って

女子を家に呼ぶなんて初めてで、しかも先輩で

それに泣いてるし、あれ、俺何してんだろうって思ったけど

でもどうしたら良いか分かんなかった

俺の両親は共働きで、本当偶然

金曜日の夜はどちらも帰りが遅くて

小4の弟はというと、おばあちゃん家にお泊まりをするって昨日からはしゃいでた

だから、家には俺と雫さんだけ

雫さんの泣いている理由は考えなくても分かった

傍から見て、雫さんが深田大好きなのは見え見えだ、本人も隠すつもりはないのだろう

一方の深田は、その好意に全く気がついていないのか、振り向く素振りが一切見えなかった

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