禁欲的シンドローム ページ12
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おれの叔父さんはヒーローだった。
職業としても、人としてもそう名乗るに相応しいと思える人、だった。もちろん意味もなく過去形なワケじゃないよ。あれほど豪快に笑う叔父さんは、あんなに狭い棺桶に詰められても、もう何も言わない肉になっているからだ。
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殉職らしかった。
ワイドショーでもちょっとだけ取り上げられたけど、「あ〜またですか……」って一言で話題が終わる程度の取り上げられ方だった。叔母さんはなんだか怒っていたけど俺はそのくらいで良かったと思った。下手に掘り下げられるより断然。
それが昨日の朝の話で、今は1日経った午後1時だ。今日はお通夜があって、明日の朝には燃やしてしまうらしい。損傷が激しくて早め早めに焼いてしまわないとすぐ腐ってしまうから、といつのまにかいた葬儀屋さんから聞いた。
お通夜は3時からの予定だったけど、叔父さんの大きい家の門の前には黒い服を着た人たちが集まってきていた。全然知らない人たちが大半だったけど、職業が職業なだけテレビで見たことあるような人も少しだけいる。不謹慎だけど有名人を見つけるためにおれはうろうろしていた。だっていてもどうせ何もさせてもらえないし、それならまだ何食わぬ顔でプロヒーローの人たちを見てる方が楽しい。
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2時になると叔父さんの趣味だった小さい鉢植えの置いてある庭にまで人が流れ込んできた。
実は、叔父さんが死んだのまだ実感がなかったからそんなにおれ悲しくないんだ。それに叔父さんは『俺が死んだら葬式は明るくやってくれ』って前言ってたし、生きてる間も豪快でさっぱりした人だったから随分前に行ったお母さんの友達のお葬式みたいな、空気がじめじめしてるような感じは全くなくて、みんな穏やかに思い出話をしていた。
人がいっぱい来るようになったら黒い服に着替えときなさい、ってお母さんから言われてたからジュースを飲むついでに二階に上がって着替えようと思った。ごめんなさい、通して、って何回か言った後横引きの玄関からまっすぐ二階への階段を登っていく。ベランダのある部屋に置いてるからって言ってた……と記憶を探り探りドアを開くと、黒い影があって思わず声を出してしまった。
「…あ、ああ、甥っ子さんがいるって」
「は、はじめまして！」
「はじめまして。光原と言い…いや、クロロスって言います、知ってる？」
知ってるも何も、というかなんでここに、とか、色々思ったけど最終的に、いつも見てます……とだけ答えた。
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無気力感(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてとても嬉しいです〜！シリ…もある……？ない…？いやもうそれはよくわからない……笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 22時) (
レス) id: b33f570211 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白くて一気に読ませて頂きました！かっちゃんの日記萌えます(*´艸｀*) 日記をつけてる意味などを考えると、シリアスな展開もあるのかな…？なんてハラハラしつつも、かっちゃんとの日常にときめきます(*´ω｀*) (2019年3月14日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感 | 作成日時：2018年11月20日 15時
