18個目 相澤side ページ2
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「暑中お見舞い申し上げます。この猛暑厳しい中、いかがお過ごしでしょうか？」
「……いや、別にどうってことはない」
「……ふむすむ、そうですね。そうでしょうとも。先生の長ったらし……いや、そんな長い髪を垂らしていれば暑いのもよくわかります。遠慮せずに」
「そもそもだ、わかるか？そもそも、暑中見舞いははがきで言うもんだろうが」
数ヶ月前に卒業したばかり、と言っても結構雰囲気の変わった元、生徒はワイン片手にそれはもう突き抜ける青空をしょってやってきた。
……
「せめて社会人として連絡を入れろ」
「でも連絡入れたら来るなって言いますよね？」
「当たり前だろ……教師が元生徒家に連れ込むなんざ……」
「え？先生そんなやましい気持ちが？抑えきれない欲が？あったんです？」
きゃっと自分の両肩を抱く光原をぶっ飛ばそうと思わなかったといえば嘘になる。だがせっかくの休日にこいつに苛つく方がエネルギーを消費することは分かっているのであたりめをぱくついた。
「……雰囲気、変わったな」
一言ぽつりとこぼすと光原は可愛くなりました？と笑いつつ、目を伏せた。
「色々あったんです」
「知ってる。ニュースでも見たよ」
お前らのことなら知ってる。怪我をしたり、バッシングを受けたり、大変なのも、ランキングに入ったり、CMに出ているのも。
伏せた目をぱっちり開いてにまりと口角を上げた人は知ってますよ、というニュアンスで唐突に問うた。
「先生ってワイングラス、持ってますか？」
「持ってるわけないだろ」
「でしょうね！と、いうわけでワイングラスも送ります」
「……は？」
「ワイン飲むならワイングラスがいりますよね」
「いや別になくても飲めるだろ」
「いい歳こいてワインをコップに入れるなんてダサいマネしないでください」
俺がめんどくさそうな顔を極めたのかそれだけ言うとそそくさと玄関に向かい始めた。めっちゃイカしたの送りますからね！ばいばい！と何も言わせる間も無く気づいた時にはドアが閉まりきっていた。
それから数日、何の他意もなくワインを開けずに取っておくとワイングラスが本当に届いた。送り主は爆豪勝己からだったが。
擦り加工でS.Aとイニシャルが入っているワイングラスの中に白のワインを入れると底の方からじんわりと金色に色づく。
「イカした、ねえ……」
呟きは包み込む芳醇な香りに飲み込まれた。
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無気力感(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてとても嬉しいです〜！シリ…もある……？ない…？いやもうそれはよくわからない……笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 22時) (
レス) id: b33f570211 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白くて一気に読ませて頂きました！かっちゃんの日記萌えます(*´艸｀*) 日記をつけてる意味などを考えると、シリアスな展開もあるのかな…？なんてハラハラしつつも、かっちゃんとの日常にときめきます(*´ω｀*) (2019年3月14日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感 | 作成日時：2018年11月20日 15時
