君の願いを叶えてあげる２【BTS】[完]

７ｰ７,君の味方 ページ7

『……なんですか？』


ホソク｢絶対に、無理はしないこと。

……怖いと思ったら逃げていい。僕が絶対に○○を守るから。………わかった？｣





本当にこの人は………


いつでも私の欲しい言葉をくれる。





『っ………うﾞっ…』


ホソク｢ん、よしよし。｣





張り詰めていた気持ちが堰を切ったように溢れて、それは涙に変わった。


正直、すごくすごく怖かったんだ。


悠太が話をできる状態かなんてわからない。


もしかしたら、また襲われるかもしれない。


そんな私を何も言わずに抱きしめてくれるホソクさん。


聞こえてくる彼の心臓の音がとても穏やかで、心から安心した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


月曜日、放課後。


静まり返った教室には、私と悠太の二人だけ。




朝、いつものように登校すると、いつもは一番に声をかけてくれる悠太が気まずそうに視線を逸らした。


正直、まだ怖かったけど、ホソクさんの笑顔を思い出して私は勇気を振り絞り、彼に声をかける。





『悠太………』


悠太｢……はよ。｣


『……おはよ。………放課後、話したいことがあるの。教室に残ってくれる？』


悠太｢……わかったよ。｣





少し驚いた様子だった悠太は、静かに頷いてから席を立つと、どこかへ行ってしまった。


そして放課後、今に至る。





『……ありがと、時間作ってくれて。』


悠太｢……｣


『あのね………私………』


悠太｢ごめん。｣


『え？』





私の話を遮るようにそう言った悠太は、地面につく勢いで頭を下げた。





悠太｢俺、本当に最低なことした。｣


『……』


悠太｢あの………あの男の人に言われて目が覚めたんだよ。……俺、何してんだろって。｣


『悠太……』


悠太｢怖い思いさせて、本当にごめん。｣





そう言うと、悠太は再び私に頭を下げる。





『顔………上げて？』


悠太｢……｣


『大丈夫。私、悠太のこと怒ってないよ。』


悠太｢…え？｣


『私の方こそ…………悠太の気持ちに気づけなくて………傷つけてごめん。』





元はと言えば、悠太の告白から始まったいじめ。


でも、彼の気持ちに非など全くなくて、


いじめが始まっても尚、私を大切に思い続けてくれた。


気持ちに答えられない私なんかの、味方でずっといてくれたんだ。





『……ありがとね、味方でいてくれて』





そう言って彼に微笑むと、





｢当たり前だろ、好きなやつなんだから。｣





彼は俯きながらそう答えた。

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