12ー4,来世はきっと【ジン視点】 ページ47
○○が旅立って数年。
僕はまた、新しい主人に仕えている。
まだ、小学4年生の、小さな女の子。
女の子「オッパぁ、私の前のご主人様は、どんな人だったの…?」
「そうだな……お星様みたいに、素敵な人だったよ」
女の子「そうなんだぁ!
……じゃあオッパは、その子の事が大好きだったんだね!」
「…え?」
女の子「だって、お顔に大好きって書いてあるもん!」
女の子はそう言って笑うと、“その人とけっこんするのー?”なんて、子どもらしいことを聞いてきた。
できたら……いいな。
ーーーーーーーーーーーーーーー
僕の主人だった女の子は、まだ幼かったこともあって、すぐに7つの願い事を使い切ってしまった。
短い間だったけど、楽しかったよ。
ありがとう。
僕らはまた、次の主人を探す。
誰にしようかな。
また小さい子に仕えて、癒してもらおうか。
……もう、疲れたな。
会いたいよ、○○。
気づくと涙が溢れて、止まらなかった。
思い出すと辛いから、ずっと気持ちに蓋をしていたのに。
その蓋はあまりにも脆くて、ちょっとしたきっかけで、すぐに壊れてしまう。
流れてくる涙をそのままに、僕はある事を思い出した。
ナムジュンと一緒に図書館で見つけた本に書いてあった、もう一つの言い伝え。
“妖精は自らの意思で自分の宝石を割ると、その存在が消滅し、時を経て新たな生命へと生まれ変わる”
“ただし、前世の記憶は残したまま”
……もうそろそろ、いいかな?
○○のところへ行っても。
僕はポケットから、ピンクの宝石を取り出し、それを地面に置く。
家の倉庫にあったトンカチを手に握ると、思い切りそれを振りかぶった。
「来世は、○○と同じ人間になれますように。」
パァーンッ……
【最終話】12ー5,カクテル言葉→←12ー3,桜が降る春の日に【ジン視点】
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時