12ー2,確かな幸せ ページ45
ジン「ちょっ!何して…」
フラッ…
突然めまいがして、私は立っていられなくなる。
倒れそうになった私の体を、咄嗟にオッパが支えた。
ジン「バカ。キスなんてするから…」
『ふふ…だって、したかったから。』
ジン「何言ってるんだよ…」
『好きです』
朦朧とする意識の中、まっすぐ彼を見つめてそう伝える。
『オッパのいない60年を生きるくらいなら、
オッパと一緒に生きる1年の方がずっといい』
ジン「○○…」
『まぁ、そんなに生きられるかわからないですけど』
そう言って笑うと、オッパは瞳を潤ませて、強く強く私を抱きしめてくれた。
ジン「…僕も好きだよ。もう離れていったりしない。」
『…約束ですよ?』
ジン「うん…ずっと一緒。約束。」
耳元で涙声になりながらそう囁いた彼は、私から体を離すと優しくキスをした。
それは甘くて、苦しくて…
でも、幸せだった。
ーー
ーーー
大好きな人と通じ合えたその日から、私は不思議な夢を見るようになった。
1日目は緑色のオーラを纏った、儚げな男の子の夢。
「○○は今幸せ?」
『うん、とっても』
「そっか。ならぼくも幸せ!」
彼は口を四角くしながら微笑むと、靄の中へと消えていった。
2日目は水色を纏った、知的な男性。
「見ない間にまた素敵な女性になったね」
『そうですか…?』
「君は思いやりのある素敵な子だ。だから自信を持って。」
そう言った彼は、優しく私の頭に手を乗せた。
3日目は紫色を纏った、無邪気な男の子。
「ヌナ!会いたかった!」
『ほんと…?』
「ヌナはずっと、僕の中で一番可愛いお姫様だよ」
ヌナ大好きー!と叫びながら、淡い光の中へと消えていった。
4日目は赤色を纏った、明るい男性。
「ご飯ちゃんと食べてる?夜更かししてない?」
『何それ…お母さんみたいです笑』
「○○はすぐ無理をするから心配なんだよ。
…これ、元気が出るおまじないね?」
そう言うと彼は優しく私の額にキスをした。
5日目は黄色を纏った、中性的な男の子。
「…僕じゃダメ?」
『え?』
「ううん…なんでもない。」
最後だから許して、と私を抱きしめた彼は、泣いていた。
6日目は黒色を纏った、ぶっきらぼうな男性。
「もう泣いてないんだな」
『うん、もう大丈夫』
「そ、お前が信じた道を行けよ。」
そう言うと、彼は私の背中をグッと押した。
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時