君の願いを叶えてあげる２【BTS】[完]

１１ｰ７,慣れてない【ユンギ視点】 ページ41

俺が初めて見た○○は、泣いていた。


多分、ジンヒョンのことを想って。





｢…泣いてんの？｣





こういうことへの対処に慣れていない俺は、不器用にそんな言い方をしてしまう。


きっと、この状況に出くわしたのがホソクやジミンだったら、もっと上手くやっていたんだろうな。


ごめんな。よりによって出てきたのがこんな俺で。


涙を流し続ける○○に、俺はただ隣で背中を摩ってやることしか出来なかった。


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『きゃっ！！』





ある日の夕方。


脱衣所から○○の悲鳴が聞こえて、何事かと慌てた俺は、すぐさまそこへ向かった。


“たすけて”と中から弱々しい声が聞こえて、俺は勢いよくドアを開ける。


そこには暗闇の中、地面にへたり込む○○の姿があった。


どうやら、突然電球が切れて腰を抜かしたらしい。





思ったより怖がりなんだな……ちょっと可愛いかも？





なんて、よくわからないことを考えていると、暗闇に慣れてきた俺の目にとんでもないものが映った。





……は？なんつー格好してんの？





俺は慌てて近くにあったバスタオルを○○被せて、落ちていた彼女のTシャツと共に脱衣所から追い出す。


1人きりになった脱衣所で、気を取り直して電球を取り外しにかかると、後ろからｸｼｭﾝと小さなくしゃみが聞こえてきた。


後はやっておくからと言って、○○を少し強引に風呂場に追いやったけど……後々考えたら、俺、デリカシーなかったかも？


何度も言うけど、俺はこういうことに慣れてない。


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『はぁ…』




一緒に生活していると、度々聞こえてくる○○のため息。


なんとなく理由はわかってる。





だって……俺は知ってるから。





ヒョンが○○の前から姿を消したこと。


それは、ヒョンが○○を想っての決断だったこと。


ヒョンが何故そんな決断をしなければならなかったのかも、全部。

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