検索窓
今日:22 hit、昨日:6 hit、合計:21,629 hit

11ー5,消えない想い ページ39

ツー…





冷たい雫が、仰向けになった私のこめかみを伝うのを感じる。





ユンギ「……おい」


『…うん?』


ユンギ「泣いてるのか?」





当たりは真っ暗で月明かりだけだというのに、どうしてわかったのだろう。


暗闇の中、横からのユンギの視線を感じる。





『……泣いてないよ。』


ユンギ「そ。……あんま無理すんなよ。」


『無理してないよ。…今日はやけに優しいね。
……私の事好きなの?笑』





どんな嘘をついても、彼には私の心の中を全部見透かされる気がした。


でも彼に気を使わせたくなくて、私はあえて冗談を言って明るく振る舞う。





ユンギ「そんなんじゃねーよ。」





いつものようにぶっきらぼうにそう返してきた彼に、少し安心した自分がいた。


ーーーーーーーーーーーーー


時刻は夜の10時半頃。


家に帰宅し、お風呂に入ろうと脱衣所の電気をつける。


今まで暗闇にいたせいか、付け替えたばかりの電球のせいか、それはとても眩しく感じた。





湯船に浸かって一人きりの空間になり、今日のことを思い返す。




ユンギの優しさ、見上げた星空。




嫌でもチラつくあの人の影。





『会いたいよ……』





そう呟くと、我慢していた涙が堰を切ったように溢れだしてきて、止まらなかった。




ジンオッパに会いたい。


ずっと一緒にいたい。




そう思えば思うほど、胸がぎゅっと苦しくなって、更に涙が溢れる。


流れた涙は頬をつたい、お湯の中へと一粒ずつ消えていった。




この涙と一緒に、彼への想いも一つずつ、消えていったらいいのに。


ーーーーーーーーーーーーー


お風呂から上がって髪を乾かしてからリビングに向かうと、ソファに腰をかけて本を読んでいるユンギの姿が目に入った。


冷蔵庫から麦茶を取り出して2つのコップに注ぎ、それを持って彼の隣に座る。





『どーぞっ』


ユンギ「お、さんきゅ。」





特にこちらを見ずに私からコップを受け取ると、彼は一口飲んでテーブルの上に置いた。


お風呂から上がって喉が渇いていた私は、一気にそれを飲み干すと、空になったそれをユンギのコップの隣に置く。





ユンギ「飲むのはえーな。笑」





そう言っていつもの甘い笑顔でこちらを見たユンギは、急に顔を曇らせた。





ユンギ「……泣いてたのか?」


『え?』


ユンギ「…目、腫れてる。」


『…』





図星だった私は何も言葉を返せずにいると、突然ふわっと何かに体を包み込まれた。

11ー6,それでも会いたいと言うのなら→←11ー4,君と見た星空



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:BTS , 恋愛 , ファンタジー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。