第10章ー1,想定外【ジン視点】 ページ31
「ジミナ、おかえり」
そう声をかけると、“ん。”とどこか素っ気なく返してくるジミン。
「ヤー、ジミナ。どうしたんだよ。」
ジミン「別に?」
「別にって顔じゃないだろ。
何かあった?なんでもヒョンに話してみな。」
ジミン「…ヒョンには話したくない。」
「ヤー、寂しいこと言うなよー。」
天邪鬼になってそんなことを言ってきたのかと最初は思っていたけど、どうやら本気で僕には相談したくないらしい。
なんだろう、かなりショックだ。
弟達には好かれてる方だと思ってたんだけどな…
ジミン「……ヒョン、○○ちゃんにはもう会いに行かないの?」
「え?」
ジミン「まぁ、何があったかは知らないけど…
何も言わずにあの子の前から姿消して、悲しませるようなことだけはしないでよね。」
「……」
ジミン「○○ちゃん、ずっとヒョンに会いたがってた。
……もう僕はこれ以上何も言わない。」
そう僕に告げると、ジミンは“ちょっと外の空気吸ってくる”と言って出ていってしまった。
“妖精と人間が恋に落ちると、その人間の生気を無意識に吸ってしまう”
図書館でナムジュンと見つけた、あの古い資料の内容を思い出す。
どうやら人間と妖精が両思いになると、“契約が成立した”と見なされて、生気を吸ってしまうらしい。
僕もかなり人生経験(妖生経験?)は積んできている方だ。
口には出さずともとっくに自分の気持ちにくらい気づいている。
そして、○○の僕への気持ちにも。
図書館でこの事実を知った僕は、麗子さんの件とも重ね合わせ、すぐにそれを悟った。
このままあの子と一緒に居ちゃいけない。
そう思った僕は、心の中でこれを最後と決めて、彼女に会いに行った。
そして、思い出作りにと彼女を遊園地に誘う。
観覧車での出来事は………想定外だった。
気づいた時にはもう理性なんて残っちゃいなくて、止められなかった。
“苦しい”と言った彼女に一時的に我に返ったはいいものの、
“もしかしたら、彼女なら大丈夫なんじゃないか”
“麗子さんのことはたまたまで、言い伝えなんて嘘なんじゃないか”
と、自分に都合のいい事ばかりが頭に浮かんで
「もう1回だけ」
なんて言葉を口走っていた。
そして、そんな僕に天罰を与えるかのように、最悪の出来事が起きてしまう。
バタンッ
「おい!○○?!しっかりしろ!!」
10ー2,これで最後にするから【ジン視点】→←9ー13,お節介
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時