9ー5,無関係 ページ22
ガラガラ…
悠太「おっ、2人ともおはよー」
『おはよー』
彩「おはー」
いつも通りの朝。
月曜日の登校は面倒で少し憂鬱だけど、そんな普通のことに苦痛を感じることが幸せだったり。
明里「あれ、○○いつから来てた?おはよんー」
『おはよー、ちょうど今来たとこ!』
なんだかんだあった明里とは、席替えで隣になってからよく話すようになって、今ではそこそこ仲が良かったりする。
ほんと、人生何があるかわからない。
絶対に合わないと思っていた人でも、いつかは合う日が来ることもある。
人の価値観は、生き方は、今この瞬間も変わり続けている。
色んな人に出会って、色んな経験をして、色んな感情になって、色んな色を見つけて……そうやって人は変わっていく。
今大嫌いなあの子も、いつかは友達になれたりするのかな………なんて。
明里「…なにボーッとしてんの?」
『へ?』
明里「先生呼んでるよ?」
『えっ、うそ!ごめんー、ありがと!』
考え事をしていると周りの音が聞こえなくなるタイプの私。
明里の声でハッと現実に戻り、急いで先生の元へと向かった。
その途中で、後ろから鋭い視線を感じる。
美雅だった。
美雅「っ……」
私と目が合うと、唇を噛んで目を逸らす。
私は彼女のことが嫌いだ。
彼女も私のことが嫌いらしい。
でもそんなのどうでもいい。
私はとにかく彼女とは関わりたくないから。
平穏な日々をもう二度と邪魔されたくないから。
彼女なんてどうでもいい。
最近、明里と私が話すようになって、孤立しだした彼女。
でもどうでもいい。
自業自得だから…………どうでも…………いい。
ーーーーーーーーーーーーーーー
帰りのホームルームが終わって、先生が教室から出ていく。
帰る支度を初めて騒がしくなった教室で、一人静かに荷物をまとめる美雅の姿が目に入った。
どこか居心地悪そうに、早足で教室を去る彼女。
それを見ると、いじめられていた頃の自分を思い出した。
でも私には関係ない。
どうでも…いい。
『今日は寄る所あるから先帰る!またね。』
彩「はいよー、またねー」
冷蔵庫が空になっていたから買い出しに行かなければということをふと思い出して、彩にそう告げる。
月曜は確か、バンタンスーパーの特売日だ。
家とは反対方向だけど、ケチな私は遠回りをして帰ることにした。
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時