君の願いを叶えてあげる２【BTS】[完]

８ｰ５,異変 ページ16

『……』


ジン｢……｣





……んもう！！目の前のバカップルのばかぁ！！


この気まずさどうしてくれるんだよ！！





ジン｢………お熱いね。｣





どうしたものか。


まさかの敢えてこの話題に触れてきたジンオッパ。





『そっ、そうですね』





ゴンドラの中、隣同士に座る私たち。


一斉に横を向けば唇が当たってしまいそうな近距離にいることもあって、余計に意識してしまう。


絶対に彼の方には向けないと思いながら再び目の前のゴンドラに目をやると……





長い長い長い長い。





バカップルは未だアツアツのキッスを繰り広げていた。





ジン｢僕達もしちゃう？！……な、なーんつって！！｣





彼なりに場を和ませようとしたのだろう。


地獄みたいな冗談をぶちかましてきたオッパに私は白目をむく。





ジン｢ご、ごめん｣


『許しません』


ジン｢ごめんってええぇぇぇ｣


『……』


ジン｢……｣





沈黙が続いたまま、私たちのゴンドラは頂上へとどんどん近づいていく。


それに比例するように、大きくなる心臓の音。


あぁ、どうしよう。意識が朦朧としてきた。


私は、自分が思っていたよりも重症らしい。


いつからこんなに、彼を想うようになっていたのだろうか。





ｶﾞﾀｯ…





ジン｢んっ……………？！｣





気がつくと目の前には呆然としながら私を見つめる彼がいて、


朦朧とした意識に任せて彼に唇を重ねた私がいた。





『……私何して……ごめんなさ……っ』





何かのスイッチが入ったように今度は彼が私の唇を奪う。


息が出来なくなるほどの激しいそれは、


数秒の出来事だったはずなのに、私にはとても長く感じた。





『っ……はぁ、苦しい……です』


ジン｢っ！……ごめん。｣


『……』




ジン｢………もう1回だけ、いい？


……これで最後にするから。ﾎﾞｿｯ｣


『え？今なんて………っ』





何かを小さく呟いた彼は、今にも消えてしまいそうな切ない表情で、もう一度私に唇を重ねた。


今度は、苦しくない、優しいキスだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『……楽しかったですね』


ジン｢そうだね｣





遊園地の帰り道、夕焼けに染まった街を二人で並んで歩く。


今日は色々なことがありすぎたせいか、なんだか頭がボーッとする。





ジン｢良い思い出になったな…｣


『…』


ジン｢○○……？｣





ﾊﾞﾀﾝｯ





ジン｢…っおい！○○？！しっかりしろ！！｣

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