45、例え何を犠牲にしても ページ47
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「わあ〜綺麗!」
辺り一面に広がる色鮮やかな花々。その近くを飛んでいる梔子色に淡く光る蛍達。
那田蜘蛛山にこんな綺麗な場所があるなんて思わなかった。
「喜んでもらえて良かった。連れてきた甲斐があったよ」
そうここは累のお気に入りの場所らしい。家で私が暇そうにしてたら累が連れてきてくれたのだ。
私が一人はしゃいでいたら累が私の名前を呼んだ。
「A、おいで」
「?どうしたの?」
「ちょっとじっとしててね」
累の元まで行けば髪をさらりと触れられて何かを着けられた。
「うん、やっぱりよく似合ってるよ」
そう言って手鏡を渡された。
手鏡を覗けば私の髪にあの時の赤と桃色の花の髪飾りが着けられていた。
そういえば累が買いに行ってくれたんだっけ。すっかり忘れてた。
誰かに物を貰うのは初めてだからすごく嬉しい。それが累からなら尚更だ。
「…ありがとう累。とっても嬉しい」
嬉しくてふわりと笑えば累は愛おしそうに私の頰を撫でて、
「……!」
唇にちゅっと口付けをした。
「好きだよ、A」
累のその言葉が甘く脳に溶けていく。
心臓が脈打つのが早い。
心がじんわり満たされていく。
そうだ、この気持ちはあれだ
私はいつのまにか累に……
「……私も……私も累のことが好き」
______恋をしていたんだ。
「本当…?」
そう言ってぎゅっと優しく抱きしめてくれる累に私も累の背中に手を回して抱きしめ返す。
「もう絶対離さないから。」
「私も…累からもう絶対離れない。地獄の果てまでついて行ってあげる」
そうイタズラっぽく笑えば累も笑った。
「Aと一緒なら地獄でも楽しそうだね」
そういって綺麗に笑う累に見惚れてしまう。
心臓が高鳴るのを感じる。
胸が温かい。
こんなに心が満たされるのはいつ振りだろう。
私はこんなに幸せでいいのだろうか。
______また、大切なものをつくってしまっていいのだろうか。
またこの幸せが壊された時が怖い。
もしまた大切な人が殺された時私は_____
……………いや、今度こそ壊させない。
大切な人をもう二度と殺させない。
累は私が守る。
例えこの身が滅びようとも、絶対に。
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時