31、鬼舞辻無惨 ページ33
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町を駆ける。足取りは軽い。
早く累に会いたい。
会って酷いこと言ってごめんって謝りたい。そしてまた色んな話をして色んなところに一緒に行きたい。
そんなことを考えながら走るのに夢中で気づかなかった。町角から強い鬼の気配が近づいてくるのに。
ドンッ
「……!」
「イッ…!」
曲がり角で派手に人とぶつかった。私はぶつかった拍子に派手に尻もちついたが、相手はビクともしてなかった。
とりあえず謝っとこうと思い顔をあげて、固まった。
白い帽子に黒の洋装をしている紅い瞳の男。
今まで会ったこともない強い鬼の気配。
恐らくどの鬼よりも強い。一目見ただけでそう思った。
恐らくこいつは…。
「………すいませんでした。お怪我はありませんか?」
「ああ…」
「良かったです…、では」
「待て」
呼び止められた。くそ、なんの用だよ。私は急いでるのに…!
なんで、なんでこんなところに
「お前、私が鬼だと気付いてるだろう?」
___鬼舞辻無惨がいるんだよ
「…いえ、なんのことだか」
「とぼけても無駄だ。お前が私を見たときの表情で分かる。」
チッ。私としたことが。確かに無惨を見てなんでこんな所に鬼の頭領がいるんだと動揺が一瞬表情にでてしまった。
今は急いでるから尚更だ。
「その白銀の髪に朱い瞳…。もしかしてお前が童磨の言っていた累の妹役の人斬りか?」
「…そうです」
嘘をついてもバレるだけだと正直に答える。
童磨の野郎。本当あいつお喋りだな。
口止めに目じゃなくて口を切り裂けば良かったか。まあどうせ治っちゃうんだけどさ
「そうか…人間の身でありながら人間も鬼も大勢殺す人斬りなんてどんな醜悪な面だと思っていたらまさかこんなに美しいとはな」
そう言いながら私の顎をクイっと持ち上げ人様の顔をじろじろ見てくる無惨。
汚ねえ手で触んじゃねえ、と言いたいが今ここで殺されたら堪ったもんじゃないのでされるがままに大人しくする。
「名はなんと言う?」
「……Aです」
「そうか、Aか。A…鬼になれ。お前なら強くて美しい鬼になれるはずだ」
はあ〜〜〜〜。どいつもこいつも勝手なことばかり言いやがってよ。鬼ぃ?なる訳ねえだろバーカ。と言ってやりたいが殺されるのは勘弁なので心の中だけにしておく。
鬼になんてなりたくないがこれはもはや強制イベントと言っても過言ではない。
断ったら殺される。どっちにしろ鬼になるしか方法がない。
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時