26、我妻善逸 ページ27
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振り向けば金髪の少年が顔を真っ赤にして身体を震えさせながら熱い視線を私に向けていた。
「あなたは地上に舞い降りた女神様ですか?」
「は?」
「ぜ、善逸さん…!」
女神?私が?何を言ってるんだこいつ。ほら隣の黒髪の少年もドン引きしてるじゃん。
私が唖然としていると、善逸と呼ばれた少年はまた喋り出した。
「俺っ我妻善逸と申します!さ、先程は助けていただいてありがとうございました!!俺っ貴方の美しさに一目惚れしてしまいました…!よ、よければ俺とけけけっ結婚してください!!!」
「はあ?」
思わず間抜けな声がでてしまった。
結婚してくださいって言った?この子。
こんな会ったばっかの奴に求婚してくるなんてよほど女に困ってるのか。
確かに女運なさそうな感じだもんな。なんだか悪い女に騙されて破産する未来がなんとなく見える。
まあでも、裏返った声で滝のように汗をかきながら必死に声を紡ぐ少年を見て、ちょっとだけ遊んであげてもいいかなと思った。
反応が面白そうだし。
「……いいよ結婚してあげても」
「え?」
私の答えに驚いたように顔を上げた少年。まさか了承を貰えるとは思ってなかったのか目を丸くして固まる少年をそのまま畳の上に優しく押し倒す。
顔を先程より更に真っ赤にして慌てたようにえ?!え?!と混乱している少年にクスリと笑みをこぼして口を開いた。
「でも………
君のその綺麗な瞳をくり抜かせてくれたらね」
少年の瞳に刀の切っ先を向けてにっこりと笑顔で言った。
さあ、不幸なんてなんにも知らなそうなその腑抜けた面を恐怖に歪ませてよ。
やっぱりさっきのは嘘でしたって泣いて許しを乞いなよ。
その綺麗な瞳に絶望を映して
さあ、
「………貴方と結婚できるのならこの目玉の一つや二ついくらでもあげます!」
「はあ?」
本日二度目の間抜けな声がでた。
少年は一瞬だけ驚いた後、少し何かを考えてから恐怖に顔を歪めるどころか顔を赤らめながらそんなことを言ってきた。
なにこいつ。正気か?
私は正直こいつの瞳なんていらないし、ただその間抜け面を恐怖に歪ませたかっただけなのに…。
「…なんか、萎えた。」
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時