鬼の瞳隠して人の瞳隠さず

拾陸話 ページ17

...A視点...





少し走ると気を失って倒れている少年がいた





声をかけてあげようとしたが、また少し離れた場所でしのぶさんの継子、栗花落カナヲちゃんが鬼の少女目掛けて刀を振り落とそうとしているのが見えた







あの子を助けるのが最初か...









私は地面を蹴り２人の間に入った




そしてガキンッと音を立てて刀と刀がぶつかった








カ「！」






『大丈夫？』



鬼の少女にそう声をかけると「ムー！」と返ってきた





...大丈夫ってことでいいのだろうか...?






するといきなり、鬼の少女が子供のように小さくなって再び走り出した




まぁ...小さい方が頸を狙いにくいし...








『どいて』





鬼の少女の頸をまた斬ろうとするカナヲちゃんを止める






先程からずっと、私の日輪刀とカナヲちゃんの日輪刀がぶつかり合ってる







どうする...




このままあの鬼の少女は逃げ切れるのか？






それに冨岡さんも心配だ








多分大丈夫だと思うけど









その時、



鴉「伝令デアリマス！伝令デアリマス！カァァァ！！」





トキワが辺りを飛び回りそう言った





ピタっと私たちの動きが止まる







鴉「炭治郎及ビ鬼ノ禰豆子！拘束シ本部へ連れ帰ルデアリマス！」






『！！』






炭治郎と鬼の禰豆子って...








鴉「炭治郎額ニ傷アリ！竹ヲ噛ンダ鬼禰豆子デアリマス！」








チラッと鬼の少女を見る




竹を噛んでいる




それにあの少年も額に傷があった...






カナヲちゃんは鬼の少女...いや、禰豆子ちゃんの目の前まで行き、「あなた禰豆子？」と問いかけていた








鴉「連レ帰ルデアリマス！」







炭治郎君は既に"隠"の人たちによって拘束されていた








カナヲちゃんはそのまま隠の人たちと共に何処かへ行ってしまった




私も冨岡さんたちと合流しなければ...




禰豆子ちゃんの方も隠の人に任せ、私は冨岡さんがいる所まで行った





冨岡さんとしのぶさんと合流すると丁度、朝日が昇った





夜明けだ...








し「冨岡さん、Aさん。お二人のしたことは隊律違反ですからちゃんと本部まで来てもらいますよ」








しのぶさんがそう言い私たちは鬼殺隊本部へ向かった









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

大正コソコソ噂話

Aの趣味は水彩画です。昔、ある人から水彩画の道具を貰ったのがキッカケで、時間があれば自分の屋敷で水彩画を描いています

拾漆話→←拾伍話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す