今日も彼女は想うだけ【煉獄杏寿郎】

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その一方、彼女は────











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「本当に一人で大丈夫ですか？
不安なら学校までついて行きますよ？」

「ありがとう、もう大丈夫！
急に押しかけちゃってごめんね。」

「うふふ、全然！むしろAちゃんが
頼ってきてくれた事が私はとても嬉しいんです」

「……っしのぶちゃん」

「なにかあったらすぐに連絡して下さいね！」



結局私は泣きつくようにしのぶちゃん家に駆け込んだ。相手が先生なのは伏せたまま、一連の流れを伝えて、沢山泣いたおかげで、この世の終わりみたいに沈んでいた心が、少し軽くなったように感じる。

ありがとうしのぶちゃん、と心の中で何度も彼女に感謝しながら、カバンを取りに学校に向かう。

嫌なことや悲しいことがある時に限って雨が降るのはなんでなんだろう。おまけに雷まで鳴ってるし風も強い。傘がまったく役目を果たしていない。


熱っぽいし早く帰りたいなぁ。

時計を見れば時刻は21時ちょっとすぎ。



先生は今頃もう、なんて嫌な想像が
頭の中をよぎってまた涙が込み上げる。

『君がいてくれて良かった』

ずっと先生の声が耳の奥に焼き付いて離れない。

激しい雨が傘を叩く度に

意気地無し。弱虫。

って言われている気がして胸が苦しくなる。




「………っ」


学校まであとちょっと、というところで
身体がふらつき私はその場にしゃがみ込んだ。

外は暑いのに身体の震えが止まらない。




すると




───着信：XXX-XXXX-XXXX




ポケットの中のスマホが震えた。

普段知らない番号は出ないけど
この時は孤独と不安に押しつぶされそうで

誰でもいい、誰でもいいから助けて。

そんな気持ちで通話ボタンを押した。









「……もしもし、乙葉です」








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