今日も彼女は想うだけ【煉獄杏寿郎】

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あっという間に金曜日の放課後になり
今日出た課題やプリントを整理していると
しのぶちゃんが肩をトントンしてきた。


「ねえAちゃん、
明日のお昼頃とか空いてたりします？」

「うん！空いてる！」

「ここ行きません？」

ニコニコとスマホの画面を見せてくるしのぶちゃん。

「ラテアートカフェ？」

「そうそう、ここのラテアートが可愛くてずっと気になっていたんです♪このクマのアートが有名で！」

「行きたい！！」


私もしのぶちゃんもカフェが好きで
可愛いカフェを見つけては放課後や
休みの日によくカフェ巡りをしている。

時間と場所を決めて私はスマホのスケジュールに
「しのぶちゃんとラテアート」と打ち込んだ。





それから私はしのぶちゃんと別れ、借りていた本を返しに図書室へ向かった。



すると前から



「だからこれは地毛だと言っているだろう！！」

「仮に地毛であっても校則違反は校則違反だ」



と、なにやら揉めている様子の煉獄先生と冨岡先生が歩いてきた。

私に気づいた先生が聞いてくれ〜乙葉、なんて言いながら近づいてくる。



「ふふ、確かに先生の髪色は校則違反ですね」

「む……」



口を尖らせながらまるで子供のように拗ねる先生に思わず笑いが込み上げる。


「ほら、乙葉もこう言っている」

「黒染めだけは絶対無理だ！！これだけは譲れん！！」


結局どちらも折れなくてしばらくそんなやりとりが続いた。


「……わ、私はこれで失礼します」

「帰るのか？」

「この後図書室によって
中庭の水やりをしてから帰ります！」

「そうか！では俺もついて行こう！」


どうしても冨岡先生から逃げたいのか、歩き出す私の後ろにぴったりとくっついてくる煉獄先生。


「冨岡先生の前では言えなかったんですけど
私は先生の髪色とてもいいと思いますよ」

「そうだろう！そうだろう！俺も気に入っている！！！」

「はい！中庭に咲いているマリーゴールドとまったく同じ色なので、いつも水やりをする度に煉獄先生を思い出しています」


「………」


そんなやり取りをしているうちに図書室に到着した。



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