ブラック本丸に来た不思議な見習い

十六日目　貴方side ページ21

『戀、それ其処に優しく置いてあげて。
お二人共、手伝ってくれてありがとうございました。』


大広間についてすぐに戀に指示をだし、手伝ってくれた二人にも声をかける。
戀は私の言葉に頷き、そっと布を置いた。


『うん、上出来！いい子いい子〜♪』


そう言って戀を撫でていると、髭兄達が近寄ってきた。


髭「戀だ〜！久しぶりだね〜！」

膝「最後に会った時よりも、凛々しくなったんじゃないか？」


戀は髭兄達に気付くと、嬉しそうに頬擦りをした。
戀と私達は凄く仲良しで、よくこんな感じで遊んでたなぁ〜。


？？「こりゃ驚きだな！龍だなんて初めて見たぞ！」

？？「す、凄い…！」

『ふふ、皆して面白い顔してますね〜！
この子は戀って名前の黒龍です。
あ、この子を利用して私をどうこうしようとか、考えない方が良いですよ？
私、身内が傷つけられるの嫌いなんです。
それに何より……つまらない。』


「つまらない」

そう言った時、きっと私は無表情だったんだろうね。
それほどまでに、私はつまらない事が嫌い。
彼奴等と同じくらいね。


『では皆さんに本体を返した事ですし、私達は離れに行きますね！
手入れはしますので、怪我したら言ってください。
出陣とか内番とか、その他は皆さんで決めて下さい。』

？？「ま、待って！」

『？』


声をかけられて振り返ると、さっき傷つけられていた眼帯の人が私を見つめていた。


『用件は何ですか？それと名前を伺っても？』

燭「あ……僕は燭台切光忠。
君は、ここで過ごさないのかい？」

『あはははははっ！』

燭「っ…」

『変な事聞きますね！燭台切さんって！
貴方達は人間が怖いのでしょう？
何故そんな事を聞くんですか？』


本当に面白いなぁ〜！
傷つきたくない、信用出来ない
そう思ってるなら、わざわざそんな事聞かなくても良い筈なのに。


？？「ぼ……僕は、その…こ、此処にいてほしいです…！」

？？「五虎退！？」

？？「ぼくも、あなたならしんようできます！」

？？「今剣まで…」

『あれ、珍しいですね。貴方達とは接点がなかったので警戒されるかと思ったのですが。』

鶯「俺も、主には此処にいてほしいな。」

宗「私もです。」

倶「……馴れ合うつもりは無いが、あんたには此処で一緒に過ごしてほしい。」

切国「俺も同意見だ。」


皆してどうしたんだろ？

十七日目　貴方side→←十五日目　貴方side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す